年金の意義
前回、年金の減額は避けられそうもないと予想しましたが、それでもメリットを考えると保険料は払っておくべきです。(もっとも払うのは義務ですが)
公的年金のメリット--インフレ対策
現在はデフレで年金の額はむしろ減っていますが、政治が政策的にインフレを起こそうとしているので、将来はインフレになる可能性は十分あります。民間の保険ではどんなにインフレになっても受け取ることができる保険金や年金額が一定なので、インフレによって実質的に減額になります。あるいは受け取り額が運用成績によって左右される変額年金保険のような商品で自らリスクを負わなければなりません。(実際に変額年金保険の元本割れが続出しています)
その点、公的年金であれば物価が上がればその分の支給額が増加します。もちろん運用のリスクを個人で負う必要はありません。
公的年金のメリット--長生きリスクに備える
「何で長生きがリスク?」と言われるかもしれませんが、100歳まで生きていれば80歳で亡くなる人よりもずっと多くのお金が必要です。人はいつ死ぬか分からないので、老後資金がいくら必要なのかもわかりません。つまり将来に対する不確定な要素なので、長生きも立派なリスクです。
民間の個人年金保険でも終身型で一生涯受け取ることができる商品もありますが、保険料は定期型(つまり10年間等、一定期間年金を受け取ったら終了)に比べてかなり割高になります。なお個人年金保険との比較は改めてお話します。)なにより老齢年金は国が責任を持つ制度です。いくら年金の将来が不安とはいえ、民間保険会社とは比較にならないほど信頼性は高いはずです。
公的年金のメリット--遺族年金と障害年金
年金はリタイア後にだけ受け取るものではありません。言うまでもなく、遺族年金と障害年金もセットになっています。
遺族年金
仮に50歳でサラリーマンであった夫が死亡し、その後妻が35年間生きていたとすると、妻は生涯で約1500万円前後の遺族厚生年金を受給できます。更に子供がいればその子が18歳の年度末になるまで遺族基礎年金(子供が1人ならば年間約100万円、2人ならば約120万円)を受け取ることもできます。
障害年金
交通事故にあって手足が不自由にでもならない限り、障害年金とは無縁だと思っている人は多いと思いますが、実は私たちにとってもっと身近で頼りになる年金です。この件については次回で詳しくお話いたします。