60歳以降も働くつもりです、年金が減らされるそうですが、、、
ポイントのまとめ

働いて給与を受取ると、60歳以降に受取る年金が減額になることがあります
この減額された年金のことを、在職老齢年金というのですが、まずはポイントについてまとめておきましょう

ポイントになるのは、この4点です
では次の章から、それぞれを詳しくみていきましょう
減額の対象になるのは老齢厚生年金のみ

私たちが受取る老齢年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類ありますが、そのうち、減額の対象になるのは老齢厚生年金だけになります
更に、老齢厚生年金には定額部分と報酬比例部分、加給年金がありますが、その中で対象になるのは報酬比例部分だけになります
- 老齢厚生年金の報酬比例部分(概要)

報酬比例部分っていうのは、確か、会社員時代に受取った給与や賞与の額に比例するんだったよね

そうです、だから報酬比例部分の額は人によってバラバラですが、40年間サラリーマンをしていた人は概ね100万円から120万円くらいでしょうか
そのうちの一部、場合によっては全額が支給されなくなります
老齢基礎年金や加給年金は全額支給されますが、もし、報酬比例部分の全額が支給されないときには加給年金も全額支給されなくなります

加給年金は、「オールorナッシング」ってことだね
厚生年金に加入しているときのみ、減額の対象になる

よく、「働いて収入があると年金が減ってしまう」って言われているようですが、「厚生年金に加入すると減額の可能性がある」と言うべきでしょう

要するに厚生年金に加入しない働き方をすればいいんだね
例えば?

個人商店や小規模な飲食店なんかは厚生年金の対象になっていません
ただ、どんなに小規模でも法人だと厚生年金に加入する事になります
でも、年金減額のあるなしで働き口を選ぶのは現実的ではありませんね

それに、厚生年金に加入すると健康保険にも加入できるので、同じ所得ならば、ほとんど場合で国民健康保険よりも少ない保険料で済みます
事業主が半分負担してくれるので
もうひとつ、厚生年金に加入すれば、将来受取る老齢厚生年金が増える訳だし、目先の年金が減るからといってわざわざ減額のないところを選んで働くのは、どうなんでしょうね

むしろ厚生年金に加入したくらいですね、年金が減っても

でも、そうは言っても「年金が減額されるなんてイヤだ!」と考える方もいらっしゃると思います
そのような方は、こちらのページを参考にしてください
- 60歳以降で年金の減額がない働き方
いくら減額されるのか?
減額幅決定の要素

まずは、減額幅を決定する要素について解説しましょう

簡単に言えば、もらっている年金額と、受取った給与と賞与の合計額によって決まるとなりますが、もう少し詳しく見ていきましょう

もらっている年金とは、老齢厚生年金の報酬比例部分の額の12分の1のことを指し、これを基本月額と言います
もうひとつの、受取った給与額と賞与額とは、当月の給与額とその月を含む過去12ヶ月の賞与額の合計を12で割った額の合計を指し、これを総報酬月額と言います

以降の説明では、この基本月額と総報酬月額という用語を使うので、しっかりと押さえておいてくださいね

私の場合、老齢厚生年金が120万円だから基本月額は10万円、今月の給与が20万円で過去1年間にもらった賞与の合計が60万円だから総報酬月額は25万円になるんだね
65歳前までの期間

まず基本月額と総報酬月額の合計が28万円以下の場合、減額はありません
老齢厚生年金は全額支給されます

私は、合わせて35万円になるから減額になるんだ

敏郎さんのケースでは、減額幅はこのように求めます
① 28万円から基本月額との差額である10万円を差し引いた額を求める(18万円)
② 総報酬月額の金額、つまり25万円から上記①で求めた額を差し引く(7万円)
③ 上記の②を2分の1の額が支給停止額になる

ということは、私は3万5千円の減額になるんだ

これはあくまでも敏郎さんのケースです
基本月額と総報酬月額によって計算方法も変わってくるので詳しくは下記のリンクページで確認してくださいね
- 60代前半の在職老齢年金による支給停止額
65歳以降の期間

65歳以降の計算はとても簡単です
基本月額と総報酬月額の合計が47万円を超えたら、超えた分の2分の1が減額になります

超えなかったら?

もちろん減額なしで、全額が支給されます