離婚したら、夫の年金からいくらもらえるの?

前回、離婚のしたときの年金分割について、その概要をお話しましたが、ちゃんと理解できましたか?

ええ、バッチリ!

今日お話しする、金額の具体例は、前回のお話がベースになっているので、しっかり復習してくださいね
- 離婚したら、夫の年金の半分がもらえるの?
前回のお話、離婚分割の概要については、このページで確認してください
報酬比例部分が増えていく仕組み

具体的な話をする前に、まず、「年金を分割して相手に渡す」とはどういうことかを、お話しておきましょう

分割の対象になるのは老齢厚生年金の報酬比例部分で、これは支払った保険料によって決まる、ということ覚えていますか?

ええ、その保険料は、毎月の給与やボーナスから天引きされているわね

つまり、老齢厚生年金の報酬比例部分は、給与やボーナスから天引きされて積み立てられてる考えるとわかりやすくなります

積み立てるって言っても、1万円天引きされたら1万円年金が増えるって訳じゃないわよね

もちろんです、これは貯蓄でなく年金なので、いくらもらえるかは今後の年金財政とか何歳まで生きられるに左右されます
ここでは、給料やボーナスをもらうたびに保険料が天引きされて、そのたびに報酬比例部分の年金額が積み上がっていくことをしっかりとイメージしてくださいね
分割の具体例

では、本題の数字を使った具体例をみていきましょう
下の図を見てください

上の図の数字は、その期間に支払った保険料によって獲得した老齢厚生年金の報酬比例部分の額を示しています

この妻は、独身のOL時代に支払った保険料で、7万円の報酬比例部分を獲得したってことね、夫の方は8万円

そうです、この独身時代に獲得した分と、夫が離婚後に獲得した7万円に関しては一切、分割の対象になりません

全て保険料を支払った人のものになるのね

残りが分割の対象になるのですが、概要について前回のおさらいをしておきましょう
全て重要なポイントばかりなので、しっかり理解してくださいね

まず3号分割によって、平成20年4月以降の第3号被保険者期間の夫の年金の2分の1が妻のものになります

20万円の半分、つまり妻の年金額は10万円増えて20万円になって、夫は10万円減るから「10万+15万+10万+5万」、つまり40万円になるのか

そうです、くどいようですが、年金分割で対象になるのは婚姻期間中の老齢厚生年金の報酬比例部分だけだということをしっかりと押さえてくださいね

ここまでは3号分割で、合意とか話し合いはしなくても請求するだけで年金が増えるのね、この事例では10万円、、、

この3号分割だけでは納得できなければ、次に両者の合意を前提とした合意分割を行います
3号分割を適用した時点で、妻の年金は20万、夫は40万、合計すると60万円ですね
つまり、妻の割合は「20万÷60万」で3分の1、夫は「40万÷60万」で3分の2
従って、両者で協議して妻の割合が「3分の1超~2分の1」になる範囲内で合意点を決めることになります

当然、妻は2分の1を要求するわよね

多くの場合、分割後の割合は2分の1になると思われます
2分の1で落ち着いた場合、妻の年金は更に10万円増えて30万、逆に夫は10万円減って同じく30万となります

元々が10万円だったから、フルでもらっても20万円しか増えないってことね、月に直すと「20万円÷12ヶ月」だから1万7000円弱しかならない、、、

あくまでも、この事例に基づいた試算ですよ、夫が高給取りでたくさん保険料を払っているともっと増えるし、でも逆に共働きの期間が長かったりすると、逆にもっと少なくなってしまうこともありますよ