パートで働こうと思っています、社会保険(厚生年金、健康保険)に加入するメリットとデメリットを教えてください
メリットとデメリット

前回、厚生年金や健康保険に加入しないで済む働き方についてお話しましたが、今日は、加入したときのメリットとデメリットについて指摘しておきましょう

要するに、社会保険料を払うことになるけど、年金が増えたり、万が一のときのメリットがあるってことね

そうです、では内容について詳しく見ていきましょう
支払う保険料と受取る年金の関係

やっぱり、一番気になるの保険料負担のところね、主人の扶養になっていれば年金も健康保険も保険料を払わないで済むわけだし
年金が増えるっていっても、そのあたりはどうなの?

わかりました、では具体的な数字を示して、そのあたりを解説していきましょう

年収が130万円の場合、社会保険料の自己負担分が年額で約18.5万円、それに対して老齢厚生年金が増える額は、およそ7,150円となります
つまり、払った保険料分を受取る年金で回収するには、単純計算で約26年間、年金を受取らなければならないことになります

18.5万円を7,150円で割ると26になるってことね
26年も受取らないと元が取れないって、キビシイわよね、65歳から受取っても91歳までって・・・
本当に65歳から貰えるかどうかもアヤシイし

ですね、政府は「厚生年金に加入すれば、老後の年金が増えるメリットがありますよ」って宣伝していますが、かなり無理がありますね
ちなみにですが、ここでは年収130万円で計算していますが、年収額が増えると回収に必要な年月は更に延びることになります

なんか、働けば働くほど損してるみたいね

でも、肝心な事を忘れていませんか?
誰だって保険料はできれば払いたくないですが、しっかり働けば、その分の給与やボーナスが増えるわけですし
保険料のためにわざわざ働く時間を減らすのは、どうなんでしょうか?

確かに、、、、、

政府としては労働力不足の解消手段として主婦層に、もっと働いてもらいたいし、年金財政を安定化させるためにもできるだけ保険料の負担者を増やしたいはず
だから、「たくさん働くと何となく損する」気分になる現行制度は、これから徐々に改められていくでしょう

いずれにしても、あまり細かいことを考えず、いっぱい働いてできるだけたくさん稼いだ方が結果的に一番いいってことね

私もそう思いますよ
それに、老後の年金以外にも社会保険に加入するといいこともありますし、
ということで、社会保険に加入するメリットについてご説明しましょう
メリット1:障害厚生年金に加入できる

厚生年金の加入すると、万が一障害状態になったときに障害厚生年金が支給されるメリットがあります

1級や2級の障害になったときに、障害基礎年金にプラスして障害厚生年金ももらえるってことね

それだけでなく、障害状態が1級や2級よりも軽い3級でも障害年金が支給されるメリットがあります
障害等級の1級や2級は相当重い障害です、逆に言えば障害厚生年金がもらえない人、つまり障害基礎年金だけの人は、相当重い障害にならないと障害年金がもらえないことになります

「相当重い」って、どのくらい?

傷病毎に基準がありますが一般論で言えば、1級は自力で日常生活を送るのが極めて困難な人、2級はとても働けるような状態でないほど重い障害状態を指します

1級と2級しかない障害基礎年金だけだと、そんなに重い障害でないと障害年金はもらえないんだ、、、
で、3級は?

もちろん3級だって、簡単にもらえるわけではありません、でも、1級や2級に比べればずいぶん要件は緩和されています
軽い労働ならばできる程度の障害でも、3級ならば受給できる可能性があります
メリット2:傷病手当金が受給できる

もうひとつのメリットとして、傷病手当金があります
もし、健康保険に加入している期間に病気やケガで働けなくなったときに、月額給与の3分の2、最長で1年6ヶ月のあいだ、傷病手当金が支給されます

でも、働けない期間が長くなれば仕事も辞めなきゃないけないんじゃないの?

いいえ、既に傷病手当金をもらっていれば、止めた後も働けない状態が続けばちゃんと支給されます

とてもいい制度ね!

ええ、障害年金はピンとこないでしょうが、病気やケガで働けなることは誰にでも普通にあることです
社会保険に加入すれば、こんないいこともあると覚えておきましょう
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