標準報酬月額の決定と改定:育児休業、産前産後休業を終了した時の改定
年金保険料の計算の基礎等になる標準報酬月額の決定及び改定の方法には、以下のものがあります。
1.定時決定
2.資格取得時決定
3.随時改定
4.育児休業、産前産後休業を終了した際の改定
5.算定の特例
ここでは育児休業、産前産後休業を終了した際の改定について解説します。
育児休業を終了した直後はまだ手のかかる小さな子がいるので、育児休業を開始する前に比べて給与が少なくなることがありますが、随時改定に該当しなければ保険料は高いままとなってしまいます。そのような場合でも一定の要件を満たせば、随時改定に準じた措置がとられます。つまり、随時改定の特例という位置づけになります。
同様の措置が平成26年度から産前産後の休業を終えたときにも適用されることになりました。
改定の要件
- 育児休業等終了日において、育児休業の対象であった3歳未満の子を養育している、もしくは、産前産後休業終了日において産前産後休業の対象となった子を養育している
- 事業主が申出をする
申出をしなければ標準報酬月額の改定が行われません。任意なので、改定するメリットがなければあえて申出をする必要はありません。
改定の方法
休業終了日の翌日が属する月とその翌月、翌々月の3ヶ月間における報酬の月平均を報酬月額として、報酬月額を標準報酬月額等級表にあてはめて、等級と標準報酬月額が決定されます。
但し、報酬の支払いの基礎になった日数(報酬支払基礎日数)が17日未満の月は除外して平均します。
報酬月額、標準報酬月額については下記のページで解説しています
改定額の開始時期と有効期間
休業が終了した日の翌日から2か月が経過した日が属する月の翌月が、標準報酬月額の改定月となります。
改定月が1月から6月までの間のときにはその年の8月まで、7月から12月のときは翌年の8月まで改定された標準報酬月額が有効になります。
事例1:終了日翌日が2月の場合
2月から4月の報酬の平均で報酬月額を算定して標準報酬月額が決定されます。
5月から改定されて、その年の8月まで有効です。
事例2:終了日翌日が7月の場合
7月から9月の報酬の平均で報酬月額を算定して標準報酬月額が決定されます。
10月から改定されて、翌年の8月まで有効です。