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年金受給者で確定申告が必要な人、不要な人、した方がよい人

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年金受給者の確定申告については、下記の3つに分類されます。

  • 1.確定申告が必要なケース
  • 2.確定申告の必要がないケース
  • 3.確定申告の必要(義務)はないが、した方がよいケース

以下でこれらのケースについて詳しく解説します。

1.確定申告が必要なケース

公的年金等の収入額の合計が400万円超、もしくは、公的年金等以外の所得が20万円超の場合は所得税の確定申告をしなければなりません。

公的年金等は「収入」、公的年金等以外は「所得」で判定されます。

公的年金等に該当するもの

老齢基礎年金、老齢厚生年金、国民年金基金、厚生年金基金、企業年金連合会が支給する老齢年金、農業者老齢年金、年金として支払われる確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型、個人型)における老齢給付金、中小企業退職金共済の分割退職金、小規模企業共済の分割共済金、適格退職年金の老齢給付金、外国年金、等

2.確定申告の必要ないケース

  • ・公的年金等(*1)の収入額の合計が400万円以下
  • ・公的年金等以外の所得が20万円以下

*1)全ての公的年金等において源泉徴収が行われていること

この2つの要件を満たせば所得税の確定申告をする必要はありません。

なお、この特例制度が適用されるのは「その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者」、つまり年金受給者に限られます。

3.確定申告の必要(義務)はないが、した方がよいケース

確定申告の必要がなくても、公的年金等から所得税が源泉徴収されている場合、確定申告によって還付されることがあります。

扶養親族等申告書を提出した老齢基礎年金、老齢厚生年金等の受給者

老齢基礎年金や老齢厚生年金から源泉徴収されるときには扶養親族等申告書を提出することになっています。この提出によって扶養控除などの人的控除が適用されますが、確定申告を行うことで他の控除を受けることができます。

  • ・雑損控除
  • ・生命保険料控除
  • ・医療費控除
  • ・寄付金控除
  • ・地震保険料控除、等

その結果、源泉徴収された所得税の一部もしくは全部が還付されることがあります。

その他にも、

・受給者本人の口座からの引落などで年金から天引きされない社会保険料を支払った

・扶養親族等申告書の内容に変更があった

等の理由により還付を受けられることがあります。

老齢年金以外で扶養親族等申告書を提出した受給者

国民年金基金などの公的年金(等)は老齢基礎年金や老齢厚生年金に比較して扶養親族等申告書の基礎的控除額が少なくなっているので、その分、源泉徴収額が多くなります。そのため、確定申告によって還付される額も多くなる傾向があります。

(参考)扶養親族等申告書を提出することができる公的年金等

老齢基礎年金、老齢厚生年金、国民年金基金、厚生年金基金、企業年金連合会が支給する老齢年金、農業者老齢年金、等

扶養親族等申告書を提出しなかった、もしくは、提出することができない公的年金等の受給者

扶養親族等申告書を提出することができる場合でもしなかったときや、確定給付企業年金など扶養親族等申告書を提出することができない公的年金等は7.6575%が源泉徴収されます。そのため確定申告で所得税の還付を受けないと、高額の源泉徴収が差し引かれたままになります。

公的年金等の源泉徴収の解説

(補足)扶養親族等申告書の内容や年金額に変更があったとき

扶養親族等の変更

支給される年金からは、年初までに提出した扶養親族等申告書に基づいて源泉徴収が行われますが、その内容に変更があったときには確定申告によって所得税額を修正します。

(事例)
・婚姻
・離婚
・本人や扶養親族が障害者となった、等

年金額の変更

源泉徴収の有無は年初の年金(見込)額で決定されますが、その額と受取った年金額に差異があれば納税が必要になったり、あるいは不要になる事もあります。

具体的には、

①年初の年金見込み額が課税基準に満たなかったため源泉徴収が行われなかったが、年金の増額により課税基準額を超えた場合

②年初の年金見込み額が課税基準を超えていたため源泉徴収が行われたが、年金の減額により課税基準額未満になった場合

このようなケースに該当したときには確定申告を通して所得税の還付請求や納税をします。

(事例)
・婚姻によって加給年金が加算された
・離婚によって加給年金の支給がなくなった
・再就職による在職老齢年金で老齢厚生年金が減額や支給停止になった
・退職時改定によって老齢厚生年金の額が増えた、等

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