サラリーマンの妻と自営業者の妻、遺族年金の比較
サラリーマンの妻と自営業者の妻では遺族年金の額に、かなりの差があることは広く知られていますが、実際にどのくらい異なるかの事例を元に示します。
比較にあたっての前提条件
- 22歳から働き始めた夫が40歳で死亡
- 夫の平均年収は400万円
- 夫の死亡時、妻は35歳、子は10歳
- 妻には会社勤めの期間なし
サラリーマンの妻の遺族年金額
遺族基礎年金
78.1万円(基本額)+22.5万円(子の加算)= 100.6万円/年
妻に支給される遺族基礎年金には必ず子の加算があります。また、遺族基礎年金は子が高校を卒業するまで(18歳年度末)の支給です。
遺族厚生年金
41.2万円/年
300月みなしが適用された短期要件の遺族厚生年金が一生涯支給されます。
- 参照=>遺族厚生年金の額
中高齢寡婦加算
58.6万円/年
遺族基礎年金終了後、老齢基礎年金が支給される65歳までのつなぎとなる有期年金です。
- 参照=>中高齢寡婦加算の詳細
老齢基礎年金
老齢基礎年金:78.1万円/年
65歳からは自身の老齢年金基礎年金が支給されますが、ここで示した額は満額であり、免除期間や保険料未払い期間があれば減額されます。
- 参照=>老齢基礎年金の額
(補足)
経過的寡婦加算は妻の生年月日が昭和31年4月2日以後の場合は支給されません。
また、ここでは妻に支給される老齢厚生年金は無い設定ですが、老齢厚生年金が受給できる場合は、老齢厚生年金と同額が遺族厚生年金から減額されます。
自営業の妻の遺族年金額
遺族基礎年金
78.1万円(基本額)+22.5万円(子の加算)= 100.6万円/年
サラリーマンの妻の場合と同様です。
寡婦年金
29.3万円/年
亡くなった夫の国民年金1号の被保険者期間が10年以上だと、妻には寡婦年金が60歳から65歳まで支給されます。
ここで示した額は亡くなった夫が20年間、第1号被保険者としての保険料納付済期間である場合の寡婦年金額であり、未納や免除の期間があれば減額となります。
- 参照=>寡婦年金
65歳からの老齢年金
老齢基礎年金:78.1万円/年
老齢基礎年金についてはサラリーマンの妻と同様ですが、遺族厚生年金の支給はありません。
まとめ
遺族となった妻が86歳まで生存したときの受け取り年金額の試算が下記の表です。
前提条件によって大きく異なりますが、この事例ではサラリーマンの妻と自営業の妻では支給額が3000万円以上も変わってきます。自営業者の家庭は特に公的年金以外にも、自身で万が一に備える必要があるようです。