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繰下げると損をしてしまう事例(1)
遺族厚生年金の受給権が発生したとき

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老齢厚生年金の額を増やすための繰下げは基本的に65歳から70歳の間に行います。従って繰下げをしている最中に配偶者が死亡して遺族厚生年金の受給権を取得することは珍しいことではありません。また、繰下げた年金を受給中に遺族厚生年金の受給権を取得することもあります。その様なケースで、遺族厚生年金の方が自身の老齢厚生年金より多いときには遺族厚生年金を選択することとなり、結果的に繰下げたことが無駄になってしまいます

年金の繰下げについての詳細は下記のページで確認してください

繰下げの強制終了

老齢厚生年金を繰下げ中に配偶者が死亡して遺族厚生年金の受給権を取得すると、繰下月数が60月に満たなくても、以降は繰下げることができなくなりますが、そのときには65歳時点に遡って繰下による増額のない老齢厚生年金を一括で受給することも選択できます。

この点を踏まえて、以下で繰下げと遺族厚生年金について解説します。

老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給

65歳からの遺族厚生年金と老齢厚生年金の調整については下記のページで解説しています

老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方の受給権が発生すると以下のように併給調整されます。

繰下げ時の遺族厚生年金と老齢厚生年金

ケース1、つまり配偶者が死亡したことによる遺族厚生年金の額に比べて、自身の老齢厚生年金の額が多いときには何の問題もありません。繰下げによって増額した分を全額、無駄なく受取ることができます。

問題となるのはケース2の場合です。この場合は「支給額=遺族厚生年金の額(老齢厚生年金が全額支給されて、残りの差額が遺族厚生年金から支給されます。詳しくは上記のリンクページで確認してください)」となるので、繰下げによる増額が受取る年金額に全く反映されません。つまり、繰下げに期間中に支給されなかった老齢厚生年金が丸々損になってしまいます。

繰下げの期間中であれば回避できる

これを回避するには、65歳に遡って繰下げによる増額のない老齢厚生年金を全額受給すればよいことになります。つまり、繰り下げは初めから「なかったこと」するわけです。

既に繰下げによる老齢厚生年金を受給した後では

上記のケース2、つまり自身の老齢厚生年金よりも配偶者が死亡することによって受給権を取得した遺族厚生年金の額の方が多くなることは決して珍しいことではなく、女性にとってはむしろ一般的であると言えます。多くの女性は数年の会社勤めの期間を経て結婚や出産を機に退職して専業主婦になり、子育てが一段落すると夫の扶養のままパートで働きに出る。このような典型的な女性の夫がサラリーマンならば、夫に比べて妻の老齢厚生年金は少なくなり、自身の老齢厚生年金を放棄して夫が死亡したときに受給権が発生した遺族厚生年金を受給することになります。

このようなケースで妻が繰下げ中に夫が死亡した場合でも、まだ繰下げにより増額された老齢厚生年金を受給する前であれば65歳に遡って受給できますが、問題は遺族厚生年金の受給権が発生したとき、既に繰下げによる老齢厚生年金を受給している場合です。このような場合では残念ながら繰下げ期間に受取らなかった老齢厚生年金は全く無駄になってしまいます。

男女の平均寿命の差や、ほとんどの夫婦は女性の方が年下であることを考慮すると、夫を亡くした多くの妻が遺族厚生年金を受取る期間は10年以上に及ぶと思われます。従って上記のケース2に当てはまる人が繰下げるのは、老齢基礎年金だけにとどめておくことが望ましいと言えそうです。

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