配偶者の暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)の被害者になったとき国民年金保険料免除(特例免除)
配偶者から暴力を受けて別居しているときには、所得審査の対象から配偶者が除外されます。
配偶者による暴力、いわゆるドメスティックバイオレンス(DV)の被害者になり別居しているとき、配偶者に保険料納付義務を課すのは現実的ではありません。にもかかわらずかつては、本人や世帯主が保険料免除の要件を満たしていても、暴力の加害者である配偶者が免除の要件を満たしていないことを理由に保険料の免除を受けられないことがありました。
このような不合理を正すため保険料免除・納付猶予の審査基準に関して改正が行われ、配偶者の暴力を受けて別居中のときは、配偶者の所得を除外して審査することとなりました。
なお、申請には配偶者の暴力を受け、別居していることを証明する証明書が必要になります。(婦人相談所が発行する、配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書、配偶者暴力相談支援センターが発行する証明書等)
対象となる免除・納付猶予
- 全額(申請)免除
- 4分の1免除
- 半額免除
- 4分の3免除
- 50歳未満の納付猶予
「特例免除」という名称ですが、学生納付特例や納付猶予制度と異なりDVを受けている人を対象とした免除制度があるわけではありません。
あくまでも現行の免除・納付猶予の枠内で実施されるのですが、DVを受けて別居中の人は暴力の加害者である配偶者の所得がないものとして審査が行われることになります。そのため、本人が免除の要件を満たしていなければ申請できないのはもちろん、配偶者以外の連帯納付責任者(世帯主)がいる場合は、連帯納付責任者も要件を満たしていなければ、免除を申請することができません。
例えば、別居先の世帯主が父であるようなケースでは、その父についても免除の要件を満たしていなければならないことになります。
50歳未満の納付猶予の場合
この場合は連帯納付責任者が配偶者だけなので、本人が納付猶予の要件を満たしていれば申請することができます。