誕生日と年齢到達日の関係、65歳に注意!
4月1日生まれの人は、翌日である4月2日生まれの人より学年がひとつ上なのはよく知られていることと思われます。つまり、ある学年で最も早く生まれた人は4月2日生まれ、最も遅く生まれた人は(翌年の)4月1日生まれとなります。
これは「年齢計算に関する法律」に定められた年齢計算に基づいており、年金の年齢計算もこの考え方を踏襲しています。例えば現在は老齢厚生年金の支給開始年齢を65歳にする移行期間ですが、その支給開始年齢は4月2日生まれから翌年の4月1日生まれ迄を単位としています。そのため男性の場合、昭和34年4月2日生まれから昭和36年4月1日生まれまでの人は64歳から支給、昭和36年4月2日以降に生まれた人は65歳から支給されるといった具合です。
その理由は「誕生日の前日にその年齢に達する」と法律で定められているからです。上記の例だと、4月1日生まれの人は、3月31日時点で65歳に達しているので「滑り込みセーフ」、翌2日生まれの人は年度を跨いだ4月1日にならないと65歳に到達しないので「アウト」、残念ながら支給は65歳からとなる訳です。
ただ、このようにたまたま経過措置に引っかかる特殊なケースを除いて、ほとんど場合その年齢に達するのが誕生日でも前日でも大した問題にはなりません。せいぜい年金の支給開始月がひと月ずれることくらいです。
但し、気をつけなければならないこともあります。年金には一定の期間内に請求をしなければ受給要件を満たさないものがあるのです。
障害年金には65歳になる前に請求しなければならないものがいくつかあります。具体的には、
- ・事後重症請求
- ・(1級、2級であったことがない)3級の年金額改定請求
- ・その他障害による年金額の改定請求
これらの請求は65歳になる前までに、つまり65歳の誕生日の前々日(前日ではありません!)までに請求をしなければなりません。
もうひとつ重要なことを付け加えると、これらは請求が要件となっています。
65歳前にこれらの障害状態に該当しているとカルテ等で証明できたとしても、請求(もちろん65歳前の請求)がなければ要件を満たさないというのが法律上の建付です。
高齢になると寝たきりや介護が必要になる人が大幅に増加します。しかし老齢期のケアを障害年金でカバーするのは制度の趣旨に反します。そのためこの様な措置を取り、65歳以降は障害年金を受給できる範囲を絞り込んでいると考えられます。