本人による障害年金改定請求
障害年金額の改定は有期認定時の職権改定によること以外に、障害の程度が進んだと思われるときには本人による改定請求をすることができます。
障害年金の有期認定と職権改定については、下記のページで解説しています。
請求できる時期
下記に該当した日から1年を経過した日後でなければ請求ができません。
- 新規裁定によって受給権が発生した日(障害認定日等)
- 厚生労働大臣の診査を受けた日(*)
- 厚生年金の額の改定請求を行った日
(*)診査を受けた日とは
有期認定の対象となる障害年金の受給者は一定期間ごとの診査書類を誕生日月末日までに提出することになりますが、診査の結果、年金額が改定となったときは障害年金支給額の改定日(月の初日)を診査を受けた日とします。
■増額改定の場合
誕生日月の翌月から増額改定になるので誕生日月の初日が改定日となります。誕生日月が5月ならば増額改定日は5月1日(6月分の年金から増額改定)となり、翌年の5月2日以降に改定請求が可能となります。
■減額改定の場合
誕生日月の4ヵ月後から減額改定されるので誕生日月の翌々々月の初日が減額改定日となります。例えば誕生日月が5月ならば8月1日が減額改定日(9月分の年金から減額)となり、翌年の8月2日から改定請求ができます。
(増額改定、減額改定いずれも指定日(誕生日月の最終日)までに必要な書類を提出した場合の事例です)
■等級に変更がない場合
有期認定の結果、等級に変更がなければ改定請求の時期に制約はありません。
請求時期の例外
平成26年4月から法改正によって、下記に該当することにより障害の程度が増進したことが明から場合は1年経過しなくても額の改定を請求できることになりました。
障害等級3級もしくは2級の人が1級に該当することが明らかなとき
(眼・聴覚・言語機能)
- 両眼の視力の和が0.04以下のもの
- 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
- 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
(肢体)
- 両上肢の全ての指を欠くもの
- 両下肢を足関節以上で欠くもの
- 四肢または手指若しくは足指が完全麻痺したもの(脳血管障害または脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6月を超えて継続している場合に限る)
(内部障害)
- 心臓を移植したものまたは人工心臓(補助人工心臓を含む)を装着したもの
(その他)
- 脳死状態(脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至った状態をいう)または遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3月を超えて継続している場合に限る)となったもの
- 人工呼吸器を装着したもの(1月を超えて常時装着している場合に限る)
障害等級3級の人が2級に該当することが明らかなとき
(眼・聴覚・言語機能)
- 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
- 8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野がそれぞれ5度以内のもの
- 両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの、かつ、8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野の合計がそれぞれ56度以下のもの
- 喉頭を全て摘出したもの
(肢体)
- 両上肢の親指および人差し指または中指を欠くもの
- 一上肢の全ての指を欠くもの
- 両下肢の全ての指を欠くもの
- 一下肢を足関節以上で欠くもの
(内部障害)
- 心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう)を装着したもの
- 人工透析を行うもの(3月を超えて継続して行っている場合に限る)
(その他)
- 6月を超えて継続して人工肛門を使用し、かつ、人工膀胱(ストーマの処置を行わないものに限る)を使用しているもの
- 人工肛門を使用し、かつ、尿路の変更処置行ったもの(人工肛門を使用した状態および尿路の変更を行った状態が6月を超えて継続している場合に限る)
- 人工肛門を使用し、かつ、排尿の機能に障害を残す状態(留置カテ-テルの使用または自己導尿(カテーテルを用いて自ら排尿することをいう)を常に必要とする状態をいう)にあるもの(人工肛門を使用した状態および排尿の機能に障害を残す状態が6月を超えて継続している場合に限る)
注意点
一度も1級もしくは2級に該当したことがない障害等級3級以下、つまりはじめから継続して3級以下の人は65歳以降は改定請求できません。
老齢基礎年金を繰上請求した後も同様に、改定請求ができません。