再評価率とは
再評価の目的
厚生年金の額は被保険者として勤めていた会社の給与額、賞与額(標準報酬月額及び標準賞与額)に基づいて算定されますが、時代によって貨幣価値は異なります。
コーヒー1杯が50円のときと400円のときでは同じ100円でも全く価値が異なるので、そのままの給与額で年金額を算定すると、例えば初任給が2万円だったころの人たちの年金額は極端に少なくなってしまいます。
再評価率を過去に受取った給与額や賞与額に掛けることで、現在の価値に換算することができます。
再評価率は下記の日本年金機構のページで公開されています
厚生年金の計算が複雑な理由
再評価率は給与や賞与を受けた年度毎に定められています。そのため、厚生年金を算定するためには、給与や賞与を受けるたびに発生する1つ1つの標準報酬月額や標準賞与額に再評価率をあてはめなければならないので、厚生年金額の算定は複雑になってしまいます。
再評価率と給付水準の関係
老齢厚生年金の報酬比例部分の額のところでお話したように、厚生年金の給付水準には、①本来水準、①従前額保障水準の2つがあり、それぞれで計算した結果、いずれか高い額が支給されることになっています。(物価スライド特例水準は平成26年度を最後に終了となりました。)
このうち従前額保障水準では従前額改定率を掛けることによって物価や賃金の変動を反映させています。このときの再評価率は平成6年度のもので固定されています。
それに対して本来水準では、毎年の賃金と物価の変動(改定率)を再評価率に反映させているので、再評価率は毎年度更新されて、当該年度の再評価率を用いて年金額が計算されます。