障害年金の請求は社会保険労務士に依頼?
障害年金申請の特殊性
(公的)年金は裁定請求をして、請求が認められてはじめて支給されます。このうち老齢年金と遺族年金は客観的な事実に基づいて支給の決定がされるので、手間と時間をかければ基本的に年金の専門家でなくても自分で請求することができます。提出書類の書き方や不明点も年金事務所で尋ねれば丁寧に教えてくれるはずです。(問題は本来もらえるはずなのに知らなくてもらい損ねることです。特に遺族年金は特殊なケースがあるので注意しなければなりません。)
ところが障害年金の申請(裁定請求)となるとなかなかそうはいきません。
障害年金の請求にはもちろん必要な提出書類は決められていますが、その中身、つまりどのようなことを書くのかについては人によって大きく異なってきます。この点が事実を淡々と記述するだけの老齢年金や遺族年金とは大きく異なってきます。
社会保険労務士に依頼するメリット
申請実務に精通
当たり前のことですが、障害年金を専門としている(つまり社会保険労務士ならば誰でもよい訳ではありません)社会保険労務士は申請書類の書き方に精通しています。受診状況等証明書や診断書は医師が書くものですが、全ての医師が障害申請に詳しいわけではありません。社会保険労務士が代理人として医師に依頼するときには不備がないか、適切であるかなどがきちんとチェックされるはずです。
病歴や職歴の申立書の内容もたいへん重要です。障害年金の審査は提出した書面が全てです。内容に誤りや不備があったり、曖昧な点があれば審査結果に悪い影響を与えることは想像に難くありません。
障害年金に詳しい社会保険労務士であれば的確なアドバイスをしてくれるはずです。
医師とのコミュニケーション
全ての医師が障害年金に対して理解あるわけではありません。あまり協力的でない医師である場合でもコミュニケーション能力に優れた社会保険労務士であれば医師への配慮を怠らず、申請が円滑に進むはずです。
申請ができない場合
障害年金のことを調べて自分で請求する意欲があっても障害を持つ方には容易ではありません。仕方なく誰かに依頼せざるを得ない場合は必然的に社会保険労務士に依頼することが多くなります。
障害年金の申請を業務として行い報酬を得ることは、一部の例外を除いて社会保険労務士以外には認められていません。
依頼に要するコスト
まちまちですが、おおよそこのくらいという金額をあげておきますので参考にして下さい。
着手金
2万円程度の場合が多いようです。依頼するときに支払う費用で、成否に関わらず必要です。
成功報酬
年金月額の2月分もしくは初回受取額の10%、いずれか多い方の額になるようなケースが予想されます。
年金月額の2月分の場合、障害基礎年金のみだと15万円前後、障害厚生年金も支給される場合は更に数万円加算された額を成功報酬として支払うことになります。(障害等級や加給の有無で大きく異なります)
初回受取額の10%とは
場合によっては最大で5年分の障害年金を一括で受け取ることができます。その際には初回の受取額が数百万円にも及びます。従ってこのような場合には(10%だと)数十万円の成功報酬を支払うことになります。
いざ支給が決定されると、金額の大きさに驚く方もみえるかもしれません。決して少ない金額ではないので、契約時に必ずいくらになるのかおおよその額だけでも確認しておくべきでしょう。