40年以上厚生年金に加入すると保険料が割高になる!
厚生年金の保険料は国民年金の保険料も込み
厚生年金の被保険者は毎月保険料を給与天引きによって支払っていますが、65歳未満の人は国民年金にも加入しているので、その保険料も込みになっています。そのため厚生年金の加入期間も国民年金の保険料納付済期間にカウントされて老齢基礎年金の額に反映されます。
但しそれは、20歳以上60歳未満の期間に限られます。この点が第1のポイントになります。
もうひとつのポイントは経過的加算の上限
保険料納付済期間とされない20歳未満と60歳以上の期間については経過的加算として老齢厚生年金に老齢基礎年金と同等の加算があります。
但し、この経過的加算には上限があります。この点が第2のポイントになります。
どちらからも漏れる期間
国民年金の保険料納付済期間20歳以上60歳未満、経過的加算の上限は480月であることから、40年以上厚生年金に加入しているとどちらからも漏れて、保険料を支払っても厚生年金の報酬比例部分だけしか増えない期間が発生します。
具体例1:18歳から60歳まで就業
20歳以上60歳未満の期間(A)については、国民年金第2号被保険者として保険料納付済期間となり、満額の老齢基礎年金が支給されることになります。
しかし、20歳未満の2年間(合算対象期間)については経過的加算月の上限である480月に掛かり年金額に反映されることはありません。(正確には端数分が少しだけ加算されます)
具体例2:22歳から65歳まで就業
22歳から60歳までの38年間(A)は国民年金第2号被保険者として保険料納付済期間となり38年間分の老齢基礎年金が支給されます。
60歳以降は合算対象期間となりますが、このうち経過的加算として老齢厚生年金に加算されるのは62歳までの期間(B)だけて、以降の期間(C)は年金に反映されません。
保険料はどうなるのか?
支払った保険料は厚生年金の報酬比例部分にしか反映されないのだから保険料が安くなってもよさそうですが、残念ながらそんなことはことはありません。これまでと全く同じ方法で報酬や賞与に応じて保険料は決められます。従って40年間勤めた後に支払う厚生年金の保険料はかなり「資金効率」が落ちることになります。
長期加入者特例
しかし悪いことばかりではありません。被保険者期間が44年(528月)以上になると、厚生年金の長期加入者特例で、定額部分や加給年金を受けられることがあります。
だだ、残念ながらこの特例を受けるためには、60歳台前半の老齢厚生年金の支給開始年齢に達していることなどの要件を満たさなければなりません。