国民年金の被保険者期間と厚生年金の関係
厚生年金被保険者は国民年金の2号
自営業者や学生は国民年金、
会社員は厚生年金
専業主婦は、、?
世間一般ではこのように言われています。会社員が会社を辞めて自営業に転身したときには「厚生年金から国民年金に変わる」という言い方が一般的です。
この様な言い方はもちろん誤りではありません。なぜ誤りではないかといえば、他に言いようがないからです。
例えば会社員は厚生年金の被保険者です。しかし同時に国民年金の第2号被保険者です。この人が会社を退職して自営業を始めたら国民年金移るのですが、元々国民年金であったはずです。移る前と移った後が同じなのは何だかヘンです。
正確に言えば、「厚生年金の被保険者、つまり国民年金の第2号被保険者であったのが、退職によって厚生年金の被保険者でなくなり国民年金の第1号被保険者に変わった(種別の変更があった)」となりますが、もちろん誰もこんな回りくどいことは言いません。
この点を理解していれば、年金の受給要件である受給資格期間が国民年金の期間で判断する理由が理解できるはずです。
基礎年金にすればよかった
昭和61年の制度改正でいわゆる「国民皆年金」となり、日本に住んでいれば20歳以上60歳未満の人なら誰でも国民年金に加入することになりました。このときに国民年金という制度名称にしてしまったため、このように分かりにくく、誤解を招きやすいことになってしまったのです。
国民年金から支給される年金は「基礎年金」という名称が使われています。老齢年金は「老齢基礎年金」、障害年金は「障害基礎年金」、遺族年金は「遺族基礎年金」といった具合です。
この基礎年金という言い方を支給される年金だけでなく正式な制度の名称、つまり国民年金制度ではなく、基礎年金制度とすればよかったと思います。
基礎年金という名称ならば、サラリーマンも自営業者も専業主婦も誰もが加入する制度だと容易に推測できます。サラリーマンから自営業に移ったときも、「上に乗っかっている厚生年金がなくなって下の基礎年金だけが残ったのだな」とイメージが湧き易くなります。
厚生年金=国年2号ではない
ここまで読まれた方は、厚生年金加入期間は全て国民年金2号被保険者に該当すると考えるかもしれませんが、そうであるとは限りません。

厚生年金の被保険者は65歳未満までは例外なく国民年金2号被保険者となりますが、65歳以降については老齢年金の受給資格期間を満たしていれば国民年金の2号被保険者ではない厚生年金の被保険者となります。