障害(年金)の併合
障害が複数あるときには併合によって障害等級が決定されます。
この併合は以下の3つがあります。
- 併合(加重)認定
- 差引認定
- 総合認定
併合(加重)認定
複数の障害がある場合は、それぞれの障害につき併合判定参考表から該当番号を求め、それらを併合(加重)認定表に当てはめて該当する障害等級を決定します。
その際、複数の障害年金が発生してるときには、下記三通りのうちいずれかの方法で障害年金の併合や年金額の改定が行われます。
加重認定による併合(国民年金法31条及び厚生年金法48条)
障害等級(一度も2級以上に該当していない場合を除く)に該当していた人が、新たに2級以上の障害が発生した場合、前後の障害年金はひとつの障害年金に併合されて、併合認定した程度の障害等級になります。このとき、前発の障害年金は失権となります。
■事例
- 先発の障害:一下肢の用を全く廃したもの(2級)
- 後発の障害:一上肢の用を全く廃したもの(2級)
前後の障害を併合して、障害等級1級の障害年金になります。
基準障害(はじめて2級)による併合
一度も2級以上に該当したことのない障害を持つ人が後発の障害を併合した結果、初めて2級、もしくは1級の障害に該当した場合の併合です。
■事例
- 先発の障害:一上肢のすべての指の廃したもの(3級)
- 後発の障害:脊柱の機能に著しい障害を残すもの(3級)
前後の障害を併合して、障害等級2級の年金が支給されます。
基準障害による併合の場合は上記の加重認定とは異なり、先発3級の障害年金は失権にならないため、先発3級の障害年金と基準障害による併合の障害年金を選択することになります。
詳細は下記のリンクを参照してください
その他障害による併合改定
障害等級(一度も2級以上に該当していない場合を除く)に該当していた人が、障害等級の1級にも2級にも該当しない別の障害(その他障害)が発生した場合も、前後の障害を併合して障害等級が決定され、等級が上がれば年金額が改定されます。
■事例
- 先発の障害:一下肢の用を全く廃したもの(2級)
- 後発の障害:両眼の視力がそれぞれ0.06以下のもの(3級)
前後の障害を併合して、障害等級1級の年金額に改定されます。
注意:
2級の障害と3級の障害を併合すると必ず1級になるわけではありません。
差引認定
差引認定は併合(加重)認定の真逆で、現在の障害状態から前発の影響を差引いて障害等級が決定されます。
差引認定によって多くの場合、現在の障害状態より不利な(軽度の)障害等級と判定されます。また法令による根拠がなくおこなわれていることから問題視されることも少なくないようです。
参照リンク
総合認定
内科的疾患が併存している場合等においては総合的に認定する、とされています。