遺族厚生年金の額:概算
遺族厚生年金の受給要件(死亡日要件)には短期要件と長期要件があり、どちらに該当するかによって支給額が変わります。
ポイント
- 老齢厚生年金の計算式で計算した額の4分の3
- 老齢厚生年金の額は給与・賞与の総額の約0.55%
- 短期要件では300月みなしがある
概算による遺族厚生年金の計算例
設定事例
- 厚生年金被保険者期間:10年(120月)
- 10年間の平均年収:400万円
短期要件による遺族厚生年金の概算額
400万円×25年×0.55%×(3/4)
=約41.2万円
ポイントは300月みなし
遺族厚生年金の概算額は、厚生年金の被保険者期間の給与・賞与総額の0.55%に4分の3を掛けた額となります。
但し、短期要件を満たしたときで被保険者期間が300月(25年)に満たない場合は、300月とみなされます。したがって、この事例では10年しか被保険者期間がないにもかかわらず、300月(25年)分の収入で遺族厚生年金の額が計算されます。
長期要件による遺族厚生年金の概算額
400万円×10年×0.55%×(3/4)
=約16.5万円
長期要件による遺族厚生年金は短期要件によるものと異なり、300月分の最低保障がありません。
よって、極端な場合では計算の基礎となる給与額が1月分の場合もありえます。