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年金の失権と支給停止

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年金の受給要件を満たした人が請求を行い、受給権を取得しても、年金が支給されなくなってしまう場合があります。

具体的には支給停止、もしくは失権したときになります。どちらも年金を受給できないことは共通ですが実質は大きく異なります。

失権と支給停止

失権

失権すると年金の受給権が消滅してしまい、別の新たな受給権を取得するまで年金を受給することができません。

支給停止

支給停止の事由に該当したため、一時的に年金が支給されないことを指します。受給権は残ったままなので、支給停止事由が消滅すれば再び支給されます。

違いの事例

事例1

  • ・60歳台前半の老齢厚生年金の受給中に、
  • ・障害者となり、障害基礎年金と障害厚生年金を受給。
  • ・その後65歳を過ぎて障害状態でなくなり3年経過。

老齢年金の支給停止と失権

65歳になる前は老齢厚生年金と障害年金は併給(同時に受給)できないため、どちらかを選択(この事例では障害年金を選択)することにより他方が支給停止となります。

その後、65歳以降に障害状態でなくなり3年が経過すると障害年金は失権します。その後は老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給停止が解除されて再び受給できるようになります。

なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金の失権事由は「死亡したとき」のみで、生きている限り受給権は消滅しません。

事例2

  • ・障害等級に該当、不該当を繰り返すケース

障害基礎年金の支給停止と失権

障害基礎年金は障害等級1級もしくは2級の状態でなくなれば支給停止となりますが、65歳以上かつ障害状態でなくなって3年以上経過するまでは失権することはありません。

従って受給権がある間は支給停止となっても再び障害状態になれば、障害基礎年金も支給されます。

しかし失権後に同一の障害で障害状態になっても障害基礎年金が支給されることはありません。

事例3

  • ・子が父の死亡により、遺族基礎年金の受給権を取得
  • ・のちに母と別居

遺族基礎年金の支給停止と失権

父の死亡により遺族基礎年金の受給権は母と子に発生しますが、母と同居(生計同一)している間は母に遺族支給年金が支給されるため子は支給停止となります。その後、なんらかの理由で母と離れてひとり暮らしするようになると母は「子が配偶者(亡父の妻、子から見れば母)と生計を同じくしなくった」ことにより失権となり、子の支給停止は解除となり遺族基礎年金が支給されます。

子も18歳の年度末なると失権し、遺族基礎年金の受給権は完全に消滅します。

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