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標準報酬月額と標準賞与額(令和3年9月から)

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給与・賞与の定義

毎月の給与や手当(報酬)、ボーナス(賞与)などを元に標準報酬月額と標準賞与額が定められ、保険料や厚生年金額の計算の基礎となります。

そのため、最初に報酬と賞与について理解しておく必要があります。

報酬とは

報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働の対償として受けるもの全てのものですが、臨時に受けるものと3ヶ月を超える期間ごとに受けるものは除外されています。

報酬となるもの
基本給、家族手当、通勤手当、残業手当、住宅手当、等

報酬とならないもの
年に2回支給されるボーナス、祝金や見舞金など臨時的収入、出張旅費、退職手当、等

賞与とは

労働の対償として受けるすべてのもののうち、3カ月を超える期間ごとに受けるものを指します。

賞与となるもの
年に1回、もしくは2回支給される賞与(ボーナス)、等

標準報酬月額と標準賞与額の決定(令和2年9月~)

標準報酬月額と標準賞与額

標準報酬月額の決定と改定のプロセス

下記で解説する定時決定等の方法を用いて報酬月額が算定され、その報酬月額を等級表に当てはめて、等級と標準報酬月額が決定されます。

標準報酬月額の等級は1級(88,000円)から32級(65万円)までの等級に分かれています。

報酬が93,000円に満たないときの標準報酬月額は1等級の88,000円となり、635,000円以上のときは32等級の65万円になります。

■標準報酬月額等級表

等級 標準報酬月額 報酬月額
(以上) ~ (未満)
1等級 88,000              ~   93,000
2等級 98,000 93,000 ~ 101,000
3等級 104,000 101,000 ~ 107,000
4等級 110,000 107,000 ~ 114,000
5等級 118,000 114,000 ~ 122,000
6等級 126,000 122,000 ~ 130,000
7等級 134,000 130,000 ~ 138,000
8等級 142,000 138,000 ~ 146,000
9等級 150,000 146,000 ~ 155,000
10等級 160,000 155,000 ~ 165,000
11等級 170,000 165,000 ~ 175,000
12等級 180,000 175,000 ~ 185,000
13等級 190,000 185,000 ~ 195,000
14等級 200,000 195,000 ~ 210,000
15等級 220,000 210,000 ~ 230,000
16等級 240,000 230,000 ~ 250,000
17等級 260,000 250,000 ~ 270,000
18等級 280,000 270,000 ~ 290,000
19等級 300,000 290,000 ~ 310,000
20等級 320,000 310,000 ~ 330,000
21等級 340,000 330,000 ~ 350,000
22等級 360,000 350,000 ~ 370,000
23等級 380,000 370,000 ~ 395,000
24等級 410,000 395,000 ~ 425,000
25等級 440,000 425,000 ~ 455,000
26等級 470,000 455,000 ~ 485,000
27等級 500,000 485,000 ~ 515,000
28等級 530,000 515,000 ~ 545,000
29等級 560,000 545,000 ~ 575,000
30等級 590,000 575,000 ~ 605,000
31等級 620,000 605,000 ~ 635,000
32等級 650,000          635,000 ~

ex.
報酬月額が17.2万円の場合、標準報酬月額は11等級(16.5万円以上17.5万円未満が11等級に該当します)の17万円になります。

標準賞与額とは

受け取った賞与の額が標準賞与額になります。但し、

  • 1000円未満の端数は切り捨てます
  • 1回あたりの上限は150万円(同じ月に2回以上支給されたときは合算)

下限の設定はありません。

標準報酬月額の決定・改定法

定時決定

7月1日時点の厚生年金被保険者を対象に定時決定が実施されて年に1度、標準報酬月額が改定されます。

資格取得時決定

新たに雇用されて厚生年金の被保険者になったときには労働契約に基づいた給与額等によって標準報酬月額が決まります。

資格取得時決定の詳細ページ

随時改定

固定的賃金の変動が伴って報酬が変動して、標準報酬月額の等級が2等級以上変動した場合には随時改定により標準報酬月額が改定されます。

育児休業と産前産後休業が終了したときの改定

育児休業や産前産後休業が終了したときは、随時改定の要件を満たさない場合でも随時改定に準じた改定がされることがあります。

標準報酬月額と標準賞与額が計算の基礎となるもの

厚生年金の保険料額

標準報酬月額と標準賞与額に基づき厚生年金の保険料が決まります。

詳細ページ

厚生年金の給付額

老齢厚生年金額(報酬比例部分)、障害厚生年金額、遺族厚生年金額の計算の基礎になります。

平均標準報酬月額と平均標準報酬額

  • 平成15年3月までの被保険者期間:平均標準報酬月額
  • 平成15年4月以降の被保険者期間:平均標準報酬額

平成15年3月までの被保険者期間は、賞与についは年金額に反映されていなかったためその期間における標準報酬月額の平均、つまり平均標準報酬月額により年金額が計算されます。

平成15年4月以降の被保険者期間は報酬と賞与の合計が厚生年金の年金額に反映されます。従って、この被保険者期間の標準報酬月額累計と標準賞与額累計をその期間の月数で割った平均標準報酬額によって厚生年金額が計算されます。

脱退一時金の支給額

厚生年金加入期間における標準報酬月額と標準賞与額(平均標準報酬月額と平均報酬額)が計算の基礎になります。

詳細ページ

3歳に満たない子を養育する期間の年金計算の特例

従前標準報酬月額

3歳に満たない子を養育する期間については将来の年金額が減らないよう、要件を満たしたときには従前標準報酬月額で年金額が計算されます。

在職老齢年金の支給停止額

総報酬月額相当額

在職老齢年金の支給停止額の計算の基礎となる総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額とその月をふくむ過去12ヶ月の標準賞与額累計を12で割った額を合計して求められています。

高年齢雇用継続給付との調整

雇用保険の高年齢雇用継続給付が支給されるときには、在職老齢年金による支給停止に加えて、更に老齢厚生年金の一部が支給停止になりますが、その額は標準報酬月額に基づいて計算されます。

傷病手当金の額

健康保険から支給される傷病手当金の額は、標準報酬月額に基づいて計算されます。

離婚時の年金分割

■合意分割

対象期間標準報酬総額(対象期間における標準報酬月額と標準賞与額の合計)を元に按分割合を計算します(78条の3)。

■三号分割

特定期間における各月の標準報酬月額と標準賞与額の2分の1が分割の対象になります(78条の14)。

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