老齢厚生年金の報酬比例部分の額:詳細(令和4年度)
このページで使われている用語、平均標準報酬月額及び平均標準報酬額については下記のページで解説しています
再評価率は下記の日本年金機構のページで公開されています
老齢厚生年金の報酬比例部分は複数の計算法があり、その中で最も高くなる計算法によって算定された額の年金が支給されます。
- 1.本来水準(平成16年改正水準)
- 2.従前額保障(平成12年改正水準)
3.物価スライド特例水準(平成6年改正水準)
平成6年改正水準(物価スライド特例水準)は平成27年度以降は使われません。
従って、本来水準と従前額保障の高い方が支給額となります。
本来水準(平成16年改正水準)
算定式(令和3年度)
下記の2つを合計した額が支給額となります。
- 平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月以前の厚生年金被保険者期間月数
- 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以後の厚生年金被保険者期間月数
7.125/1000及び5.481/1000は生年月日によって読み替えがありますが、昭和21年4月2日以降生まれの人は読み替えません。
再評価率
平均標準報酬月額及び平均標準報酬額を求める際の再評価率は毎年度更新される該当年度のものを使います。
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令和3年度の平均標準報酬(月)額の算定には令和3年度の再評価率を用います。
平成12年改正水準(従前額保障)
算定式(令和3年度)
下記の2つを合計した額に「0.999」(従前額改定率)を掛けたものが支給額となります。
(昭和13年4月1日以前生まれの人の従前額改定率は1.001になります)
- 平均標準報酬月額 × 7.5/1000 × 平成15年3月以前の厚生年金被保険者期間月数
- 平均標準報酬額 × 5.769/1000 × 平成15年4月以後の厚生年金被保険者期間月数
7.5/1000及び5.769/1000は生年月日によって読み替えがありますが、昭和21年4月2日以降生まれの人は読み替えません。
再評価率
平均標準報酬月額及び平均標準報酬額を求める際の再評価率は平成6年改正のものを使います。
報酬比例部分の計算は複雑
報酬比例部分の算出法は単純そうに見えますが、実際の計算はかなり複雑になります。
平均標準報酬月額及び平均標準報酬額を決めるための再評価率は、その給与や賞与を受け取った年度毎に定められています。そのため、受け取った給与や賞与に対してひとつひとつ再評価率を適用しなければならず、エクセル等のパソコンをうまく活用しなければ、相当面倒な計算になります。
参考:物価スライド特例水準(平成6年改正水準)
上記で触れたように、この水準は平成27年度以降は使用されませんが、備忘録として掲載しておきます。算定式に使われている数値は平成26年度のものです。
算定式
下記の2つを合計した額に「1.031×0.961」を掛けたものが支給額となります。
- 平均標準報酬月額 × 7.5/1000 × 平成15年3月以前の厚生年金被保険者期間月数
- 平均標準報酬額 × 5.769/1000 × 平成15年4月以後の厚生年金被保険者期間月数
上記の従前額保障と同様に7.5/1000と5.769/1000は、生年月日によって読み替えがあります。
再評価率
平均標準報酬月額及び平均標準報酬額を求める際の再評価率は平成6年改正のものを使います。
各水準の解説
年金額改定方法の変更にあたり、既に年金を受給している人や、近々年金を受給する予定の人への影響をできるだけ小さくするため、このような計算方法が並存しています。
それそれの意義や経緯について下記のリンクページにまとめておいたので、よろしければご覧になって下さい。
参照リンク
報酬比例部分計算の簡略化について下記のページで解説しています