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消費税と年金

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消費増税は切り札か?

先日、ラジオ番組で消費税と年金の関係についてとある経済学者が話をしていました。
消費税を上げることによって消費が落ち込むことがほぼ間違いないが、その落ち込みの程度が大きいと将来の年金が危機的な状況になるというのです。

つまりどういうことかというと、将来的には消費税からの税収が年金や医療などの社会保障の最も大きな財源となることを見込んでいますが、消費税の導入によって消費が落ち込むと、期待した税収(消費税収入)が上がらず年金財政が逼迫して、その結果、消費税以外の財源による年金制度を構築する必要に迫られるとのことです。

デフレ体質が問題

私はこの意見は一考に価すると思います。日本はまだ消費税が5%だからまだまだ上げる余地があると何となく思っていました。実際にヨーロッパ諸国では20%前後(但し、一定の食品などは非課税の場合が多い)の国もめずらしくありません。

そんなこともあって、将来の消費税率アップに大しては比較的楽観視していたのですが、よく考えてみれば(というか、当たり前ですが)ヨーロッパでうまくいっても日本でも同様に問題なく20%の税率でやっていける保障はどこにもありません。

日本は何十年にも渡ってデフレに苦しんできました。これは、人類がこれまで経験したことがなかったことです。消費税がたった5%でもこの有様です。
一方のヨーロッパ諸国は、たとえ20%の消費税率でも安定した物価上昇(インフレ率)を維持してきました。

人類史上、最悪のデフレに陥った日本が、ヨーロッパがうまくいったから日本もうまくいくと考えるのは、余りにも見通しが甘いと思えてなりません。慢性的なデフレ体質が重石になって消費税率を上げたときの経済に与える悪影響はヨーロッパの比ではありません。

今、政府はデフレ脱却のための努力をしているように見えますが、規制や既得権に切り込むはずであった「第3の矢」はどこにいったのでしょうか? 結局、株高と円安の恩恵を受けた人たちが一時的に潤っただけで賃上げは一部の大企業だけにとどまり、その他大勢の人は輸入物価の上昇(悪いインフレ)や増税に苦しむようなことになれば消費税アップどころではなくなるはずです。

教科書がない時代

そうなると確かに別の道を考える必要がでてきます。でも、そんなものがあるのでしょうか。先のラジオ番組に出演されていた経済学者さんは、残念ながらその点には全く触れずじまいでした。

日本は欧米諸国に遅れて経済発展をしたおかげで、発展段階における様々な問題も欧米をいわば教科書のようにして対応することができました。でも、もう教科書は存在しません。

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