離婚時年金分割の計算例(概要)
実際の分割プロセスは標準報酬月額と標準賞与額の受け渡しによって行われます。ここでの解説は分割のイメージとして捉えてください
離婚時の年金分割については下記のページで詳しく解説しています。
事例
婚姻期間中に支払った保険料を元とした老齢厚生年金
夫:50万円、妻:10万円
上記のうち妻が3号被保険者であった期間(平成20年4月以降)の保険料を元とした夫の老齢厚生年金
20万円
3号分割のみの場合
妻が第3号被保険者であった期間(平成20年4月以降の期間に限る)に夫が第2号被保険者として支払った厚生年金保険料が元となった老齢厚生年金額の2分の1である10万円が妻の老齢厚生年金に加算されて、夫の老齢厚生年金から減額されます。
合意分割の場合
Step1: 3号分割の適用
上記の3号分割のしくみにより年金が振り分けられ、その結果、
夫の老齢厚生年金:50万-10万=40万
妻の老齢厚生年金:10万+10万=20万
となります。
Step2: 分割の協議
この時点では夫婦の老齢厚生年金総額に対する妻(年金額が少ない方)の割合は(20万/(40万+20万))、つまり3分の1となります。
そして、この時点で年金額が少ない方(ここでは妻)の年金額が、夫婦の年金額の総額に対して
3分の1<分割(後)割合≦2分の1
に収まる範囲内で年金額が少ない方(妻)の、総額に対する割合を協議の上、決定します。
Step3: 協議結果の年金額反映
もし、分割後の割合が2分の1(割合の上限)と決定された場合、上記の3号分割で上乗せされた10万円に加えて10万円が加算され、分割前の妻の老齢厚生年金と合わせて30万円(夫婦の総額である60万円の2分の1)が支給されることになります。