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在職老齢年金による老齢厚生年金の減額:令和4年度

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こちらのページでは、働いたときの老齢年金の減額について、わかりやすく解説しています

在職老齢年金の概要

会社勤めをしながら給与・賞与を受けている人の年金は減額されることがあります。

このことを在職老齢年金による年金の(一部、もしくは全額)支給停止いいます。

減額の対象となる年金

厚生年金の被保険者、つまり会社員として働いている人が受給している老齢厚生年金が減額の対象になります。

(70歳以降、厚生年金の被保険者から外れても引き続き減額対象になります。)

老齢基礎年金は減額されません。

支給停止額の算定基礎

以下の2つの項目が計算の基礎となります。

  • 基本月額
  • 総報酬月額相当額

基本月額

  • 基本月額 = 老齢厚生年金の報酬比例部分 ÷ 12

(加給年金、経過的加算、繰下げによる加算額は除外されています。)

年金額は1年間に支払われる額なので、それを12で割って基本月額(ひと月あたりの年金額)を求めます。 

報酬比例部分の詳細ページ

総報酬月額相当額

  • 総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 + A

A = その月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で割った額

標準報酬月額、標準賞与額の詳細ページ

総報酬月額相当額の計算例

(ex.)
・2019年6月の給与(=標準報酬月額): 15万円
・2019年6月と2018年12月にそれぞれ30万円の賞与

この場合、2019年6月の総報酬月額相当額は、
15万+(30万+30万)÷12=20万円となります。

在職老齢年金による支給停止額

減額の対象となる部分

  • 報酬比例部分が減額の対象になります
  • 下記の計算法で示した支給停止額が報酬比例部分以上になるときは、報酬比例部分は全額支給停止となります
  • 加給年金は全額支給されますが、酬比例部分が全額支給停止となった場合は加給年金も全額が支給停止となります
  • 経過的加算額と定額部分は全額支給されます

計算法

基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えた場合のみ、超えた分の2分の1が支給停止となりますが、超えなければ減額はゼロとなり、全額が支給されます。

(事例)
基本月額:10万円
総報酬月額相当額:40万円

47万を超える部分:50万-47万=3万

支給停止額:3万 × 1/2 = 1.5万

70歳以降も継続して適用される

老齢厚生年金を受給してる人が70歳になると厚生年金の被保険者でなくなります。しかし、厚生年金に加入している事業所に雇用されている場合には70歳以降も在職老齢年金による減額が行われます。

在職老齢年金が適用される月

老齢厚生年金を受給する月につき、在職老齢年金が適用されます。但し、新たに被保険者資格を取得した月は除きます。また、退職日の属する月までが適用になります

(法改正)
平成27年10月までは厚生年金被保険者資格喪失日(退職日の翌日)が属する月までが対象でした。

そのため改正前までは月末日に退職のとき、退職月の翌月に給付される老齢厚生年金にも在職老齢年金による減額が適用されていました。

高年齢雇用継続給付との支給調整

60歳以降も継続して就業する一定の要件を満たす人には雇用保険から高年齢雇用継続給付が支給されますが、この場合は老齢厚生年金が更に減額されます。

調整法
高年齢雇用継続給付金の最高支給額は賃金額の15%ですが、最高額が支給される場合に、標準報酬月額の6%にあたる額が在職老齢年金の減額に加えて更に減額されます。
この減額は、高年齢雇用継続給付を受給できる額が減っていくのに比例して減額率も小さくなり、給付金の額がゼロのときはこの支給調整によって在職老齢年金から減額される額もゼロになります。


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