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年金保険料の免除と猶予

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免除・猶予制度の概要

第1号被保険者(20歳以上60歳未満の、学生、フリーター、自営業者、失業中の人、求職者、等)に該当する人は毎月、自分で国民年金の保険料を支払わなければなりません。

しかし、失業や経済的な理由で保険料を払う事が困難な人もいます。そのような人を救済するために申請免除制度があります。申請免除制度を利用すると保険料の全部か、もしくは一部を払う必要がなくなります。その分の将来受取る年金は減りますが、免除を受けて保険料を納めなかった月の分も、2分の1の年金が支給されます。例えば極端な事例ですが、20歳から60になる前までの40年の期間が全て保険料全額免除の期間だとすれば、40年の間、全額の保険料を支払った人の2分の1の老齢基礎年金を受取ることができます。(学生は免除制度を利用することができません。保険料を支払わないことを希望する場合は後述の猶予制度を利用します。)

免除になるときでも所得額によっては、保険料の一部を支払わなければならないこともあります(一部免除)。この場合は払った保険料の額に応じて全額免除のときよりも、将来受取る老齢基礎年金の額は多くなります。

所得が少ないとき以外では、失業したときや災害の被害を受けたとき、結婚相手から暴力を受けたとき(DV、ドメスティックバイオレンス)も免除の対象になります。

但し、自分が免除の対象になっていても、世帯主や配偶者が免除条件に該当していないときには保険料を支払わなければなりません。

申請免除に似た制度で猶予制度というものもあります。こちらは学生と所得が一定額以下である50歳未満の人が対象になります。猶予制度を利用すれば保険料を払わなくてもよい点は全額免除と同じですが、猶予期間は全く年金額に反映されません。最低でも2分の1が反映される免除制度と大きく異なる点です。

もうひとつ、免除制度との大きな違いは審査対象者です。申請免除の場合は配偶者と世帯主も免除の対象になっていなければなりませんが、学生の場合は審査対象が本人だけになるので、親の所得に関わらず猶予を受ける事ができます。50歳未満の猶予制度は本人と配偶者が審査の対象になります。

ここで気をつけてほしいのは、猶予と未納は全く別物だという点です。どちらも年金額が増えないのは同じですが、未納期間が多いと老齢年金を受取る権利そのものが失われる可能性があります。また、万が一、障害状態になっても障害年金を受けることができなくなってしまうこともあります。自分は大丈夫と思っているかもしれませんが、実際に未納期間が問題となって障害状態になっても障害年金を受取ることができない人が大勢います。

保険料免除・猶予制度の全体図

年金保険料の免除区分

日本国内に居住する20歳以上60歳未満の人は必ず国民年金に加入しなけばなりませんが、第1号被保険者期間が経済的な理由等により保険料を納めることができないときは、一定の要件を満たせば保険料の納付が免除されます。

免除には法定免除申請免除があり、申請免除は、さらに全額免除一部免除の2つに分かれます。

また免除とほぼ同様のしくみで、学生と30歳未満の若年者に対する保険料の納付猶予する制度も設けられてます。

法定免除

法定免除に該当した場合、保険料は当然に免除となります。本人や配偶者、世帯主の所得を問われることはありません。

対象

  • ・障害基礎年金の受給権者
  • ・生活保護をうけているとき
  • ・厚生労働省の指定施設(ハンセン病療養所など)に入所しているとき

届出

法定免除に該当したら、14日以内に届出をしなければなりません。法律上、上記の要件に該当すれば当然に免除になりますが、届出が必要な点に注意して下さい。

支給額

保険料を全額納めたときの2分の1にあたる額の老齢基礎年金が支給されます。

免除期間

法定免除に該当した月の前月から該当しなくなった月までが免除期間となります。

「法定免除」の詳細ページ

申請免除

申請免除には保険料全額免除と一部免除(4分の1免除、2分の1免除、4分の3免除)があり、それぞれ所得要件と年金に反映される額が異なります。
これらの免除を受けるためには申請して承認されることが要件となっています。免除の所得要件等を満たす状態であっても申請をしなければ免除を求める意思がないとみなされ、通常の保険料を支払わなければ未納期間とされます。
また、また、全額免除以外の場合は、申請が承認されても規定の保険料を支払わない場合も未納期間になります

申請免除の要件

本人、配偶者、世帯主の全員が、下記要件のいずれかを満たしていなければ免除を申請することができません。

1.所得が一定額以下である
2.生活保護法による生活扶助以外の扶助等(住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)を受けている
3.天災その他の事由により納付が著しく困難であると認められる(特例免除)

所得額については、免除の区分等により細かく規定されています。詳しくは下記のリンクページで確認してください。

申請免除の適用除外者

学生の期間について申請免除はできません。

支給額

(全額免除)
保険料を全額納めたときの2分の1にあたる額の老齢基礎年金が支給されます。

(4分の1免除)
保険料を全額納めたときの8分の7にあたる額の老齢基礎年金が支給されます。

(2分の1免除)
保険料を全額納めたときの8分の6にあたる額の老齢基礎年金が支給されます。

(4分の3免除)
保険料を全額納めたときの8分の5にあたる額の老齢基礎年金が支給されます。

免除期間と審査対象となる所得期間の関係

法改正による免除期間の変更

7月から翌年の6月までの1年をが免除期間の単位で、7月に申請した場合を除きその期間より前の期間については申請ができませんでしたが、改正(平成26年4月)により納付期限(翌月末)から2年を経過していない分について申請することができることになりました。

例えば現在が平成26年5月だとします。平成24年4月の保険料の納付期限は平成24年5月末なので、平成24年4月分以降の免除申請が可能となります。

免除期間の単位は7月から翌年の6月である点は変更がないので、免除を申請した月以降で最初の6月までが申請できる期間です。従って平成26年5月に免除申請できる期間は平成24年4月分から平成26年6月分の保険料になります。

審査対象となる所得期間

これまでと変更はありません。すなわち、

・7月から12月の免除期間は、前年の所得を審査対象とします。

・1月から6月の免除期間は、前々年の所得を審査対象とします。

審査対象となる免除区分の指定

申請書で審査を依頼するとき、審査しない免除区分を指定した場合、例えその区分の免除を受けられる所得水準であっても審査は行われず、その区分の免除を受けることはできません。

(例)
全額免除は受けられないと思い込み4分の3免除のみの審査を指定した場合、実際には全額免除の承認要件を満たしていても全額免除の審査自体が行われないので、4分の3免除しか受けられません。

できるだけ多く免除を受けたい、つまりできるだけ支払う保険料を少なくしたい場合は、必ず全ての区分の審査を受けてください。こうすれば所得要件を満たす免除区分のうち、免除額の最も大きなものが承認されます。

また、逆のケースも考えられます。免除を受けたいが、将来の年金受取額を考慮してできる範囲で保険料を払いたいような場合は、審査の対象となる区分を指定してください。

(例)
免除は受けたいが全額免除だと将来の年金額は2分の1しか反映されないので、できるだけ少ない額の保険料を納めたい。このような場合には、全額免除のみを審査の対象から除外します。

特別障害給付金を受給している人の保険料免除

特別障害給付金を受給している第1号被保険者は保険料が全額免除となります。但しこちらは障害年金の受給者と異なり法定免除ではないので法律上、当然に免除とはならずに、申請が必要となります。

納付猶予

50歳未満で一定の要件を満たす第1号被保険者は申請によって保険料の支払い猶予を申請することができます。(平成28年7月より30歳未満から50歳未満に対象が拡大されました。)

この制度はあくまでも猶予なので10年以内に保険料を納めることを建前としているようですが、納めなくてもペナルティはありません。
また、老齢年金の受給要件である受給資格期間を判定するときにはこの期間は保険料免除期間としてカウントされますが、年金額には反映されません。

寡婦年金の受給資格期間の判定をするときも保険料免除期間となります。

納付猶予の要件

本人が50歳未満であることに加えて、本人と保険料の連帯納付責任者である配偶者のいずれもが、下記要件のどちらかを満たしていなければ免除を申請することができません。

1.所得が一定額以下である
2.生活保護法による生活扶助以外の扶助等厚生労働省令に定めるものを受けている
3.天災その他の事由により納付が著しく困難であると認められる(特例免除)

納付猶予と所得額の関係については下記のリンクページで確認してください。

納付猶予の適用除外者

学生の期間については申請することはできません。

支給額

年金の額には反映されません。

納付猶予の対象となる期間と審査対象となる所得期間の関係

上記の申請免除の場合と同様になります。

学生納付特例

学生(大学、大学院、短大、高等専門学校、専修学校、課程が1年以上の各種学校、等)を対象とした保険料の支払いが猶予される制度です。なお、夜間、定時制、通信課程もふくまれます。

この制度も上記の若年者猶予制度と同様に後に保険料を納めることを前提した猶予制度ですが、納めなくてもペナルティはありません。
老齢年金の受給要件である受給資格期間を判定するときにはこの期間は保険料免除期間としてカウントされますが、年金額には反映されません。

寡婦年金の受給資格期間の判定をするときも保険料免除期間となります。

納付猶予の要件

本人が下記要件のいずれかを満たしていなければ免除を申請することができません。配偶者や世帯主については要件を満たす必要がありません。

1.所得が一定額以下である
2.生活保護法による生活扶助以外の扶助等厚生労働省令に定めるものを受けている
3.天災その他の事由により納付が著しく困難であると認められる(特例免除)

納付猶予と所得額の関係については下記のリンクページで確認してください。

支給額

年金の額には反映されません。

特例期間と審査対象となる所得期間

法改正による免除期間の変更

4月から翌年の3月までの1年をが免除期間の単位で、4月に申請した場合を除きその期間より前の期間については申請ができませんでしたが、改正(平成26年4月)により納付期限(翌月末)から2年を経過していない分について申請することができることになりました。

例えば現在が平成26年5月だとします。平成24年4月の保険料の納付期限は平成24年5月末なので、平成24年5月分以降の免除申請が可能となります。

免除期間の単位は4月から翌年の3月である点は変更がないので、免除を申請した月以降で最初の3月までが申請できる期間です。従って平成26年5月に特例申請できる期間は平成24年4月分から平成26年3月分の保険料になります。

なお、3月に卒業した場合でも3月(卒業月)までの期間が猶予対象になりますが、就職先の入社月が3月で3月から就業する場合は2月までとなります。

まとめ

保険料免除まとめ表1
*1) 保険料を全額支払った場合を1とした割合

天災、失業、ドメスティックバイオレンスによる特例免除

所得審査の対象者のうち、下記の特例免除に該当する人の所得は除外(所得がないものと)して審査されます。

1.震災、風水害、火災等により、住宅や家財の被害金額がおおむね1/2以上

2.失業中
失業によって保険料が免除、納付猶予になることがあります。

3.厚生労働省の行う離職者支援資金貸付制度による貸付金の交付を受けたとき

4.配偶者の暴力により、配偶者と住所が異なる人
この場合は配偶者の所得を除外(ゼロ)として審査されます。

保険料の追納

保険料の免除や納付猶予を受けたときでも、10年以内であれば追納という形で後に保険料を納めれば、その期間については保険料納付済期間となります。但し追納で支払う保険料は割り増しになってしまいます。

「保険料の追納」の詳細ページ

「保険料の追納」に関連するページ

免除・納付猶予手続き

「免除・納付猶予手続き」の詳細ページ

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