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マイナンバー制度と年金

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2016年から実施されるマイナンバー制度

少し前の話になりますが、2013年5月にマイナンバー制度の関連法が国会を通過し、準備期間を経て2016年1月から運用される運びとなりました。ずっと以前からこの法案の話が出てくるたびに揉めに揉めて幾度となく立ち消えになったいわく付きの制度にも関わらず、何ともあっさり通ってしまった様な気がします。と言うよりも、マスコミで騒がれているほど世間一般の人は関心がないのかもしれません。

制度の目的

この制度の目的は、国民全員に固有の番号をふって、納税や社会保障の事務を効率化することです。これまでは、省庁の縦割り行政の弊害で情報の共有が全くされていませんでした。

例えば年金の免除制度。免除を受けるためには本人や連帯納付義務者の所得を調査しなければなりません。これまでは年金事務所が市区町村に問い合わせ、市区町村の調査結果を受けて免除申請を審査していました。
マイナンバー制度が運用されればネットにつながったパソコンのキーをたたくだけで関係する人全員の所得が瞬時に分かるようになるはずです。

これはほんの一例です。年金だけをみても、支給の要件として所得制限が設けられているものは多数あります。年金以外でも高校授業料無償化の所得要件調査など、効率化が見込める事務作業が山ほどあるので、公共部門の事務作業は大幅に改善されるはずです。

効率化だけではない、本当の狙い

みなさんもうすうすお気づきのことでしょうが、この制度の目的はそれだけではありません。政府は事務の効率化のことしか言いませんが、様々な面で国民生活が変わることになります。

このサイトでも何度も取り上げているように、少子化と経済低成長で年金財政の将来はかなり悲観的です。政府はなんとしても給付額を抑えなければなりません。いくら保険料の取立てを厳しくしても人口や税収額が減少すれば焼け石に水です。そんなときに年金受給者の所得を把握できればとても役立つはずです。

年金への影響

現状(平成25年10月現在)では所得がある人でも年金が減額されるのは、厚生年金の被保険者だけです。会社員としての給与や賞与以外の収入がいくらあっても年金が減額されることはありません。なんだかとてもヘンだと思うのですが、それにはちゃんとした(?)理由があります。

厚生労働省では会社員(厚生年金の被保険者)の給料以外の所得を把握できないからです。信じられないかもしれませんが本当のことです。正に省庁間の縦割り行政ここに極まれり、そんな理由で、厚生年金が適用される会社に勤めるサラリーマンだけが毎月、年金額が引かれていくのです。

しかしマイナンバー制度の導入で、晴れて(??)日本国民全員の所得情報を、年金制度を所管する厚生労働省は手にすることができます。その結果どうなるか、もしかしたら年金の減額者が激増するかもしれません。保険料の強制徴収も所得情報があれば随分やりやすくなるので増加するかもしれません。

制度が更に強化されると

将来的には、このマイナンバーが預金口座や証券口座にも付与される可能性もあります。そうなると所得だけでなく資産まで丸裸にされてしまいます。もしかしたら、多くの資産がある人は年金が減額される、それどころか全く支給されない可能性もあります。

そんなことをしたら富裕層を中心に猛反対が起こることは必至です。でも、年金制度は今のままでは維持できません。年金に限らず社会保障や公的扶助を本当に必要としている人に行き渡らせるためには仕方ないのかもしれません。

資産課税はあるか?

ここまで来ると誰もが資産課税を考えると思いますが、私はそこまではいかなだろうと考えています。資産に税金を掛ければまちがいなくキャピタルフライトが起こり、預金や株式市場のマネーが海外に流出します。そうなれば国内の金融機関は国債を買い支えることができなくなり、国債の金利は暴騰して国家財政は破綻してデフォルトが起こります。もちろん株式市場も暴落です。

それを回避するためには海外への持出制限か預金封鎖しかありません。でも、もしそうなったら、もう市場主義経済を標榜する民主主義国家とは言えません。完全な統制国家です。外資は一斉に逃げ出し、株式や不動産の資産価格は暴落、経済は落ちるところまで落ちていくでしょう。

影響の大きさを考えるとやりたくてもできないのではないか、というの私の考えです。

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