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年金とデフレ

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今、政府はデフレ脱却に向けて必死の努力をしています。2015年の10月から消費税を10%にするはずを2017年4月からに延期したのも、デフレが原因です。最近では「10%にするのはデフレを脱却してから」と公然と主張する政府関係者もいます。私個人としては、銀行に預けたお金に金利がほとんどつかないことを除いて、日常生活ではそれほどの切迫感は感じませんが、デフレは年金に対して様々な好ましくない影響を及ぼします。

マクロ経済スライドが機能しない

マクロ経済スライドは、経済成長(インフレ)を前提としています。所得や物価の上昇に伴う年金額の上昇を抑えることによって、年金財政を安定させるしくみとなっています。

そのためデフレ下ではこの仕組みは全く機能しません。マクロ経済スライドが適用される期間を調整期間といいますが、この期間の終了が先延ばしにされ、このままデフレが続けばいつ終わるのか全く見当もつきません。

言うまでもなくその間にも年金財政は悪くなり、先延ばしされるほど健全化はより困難になります。

保険料収入の減少

人々の給与が上がればそれに伴って年金の支給額も上がりますが、マクロ経済スライドの適用でその上昇額は抑えられ、しかも保険料収入が上昇するので年金財政は好転します。

しかし給与が上がらなければ保険料収入も上昇しません。一方で高齢化に伴い年金の給付額は増えるのでそのギャップを埋めるには、より多くの積立金を取り崩すしかありません。当然それは将来の年金給付の減少という形で跳ね返ってきます。

積立金の運用難

株価の下落による年金額の減少のページでお話したとおり、現時点で約束された年金見込み額は積立金の運用で一定の運用益が確保できることが前提となっています。

国債を買ってもマイナス金利の影響で、返って積立金が減少してしまうような状況下で計画された運用益を確保するには、株式のような高リスクの金融商品で運用するしかありません。

受給資格期間短縮の延期

消費税が10%になるタイミングで受給資格期間が25年(原則)から10年に短縮されます。

この消費増税の延期理由は言うまでもなく日本がデフレから脱却できないからです。デフレ状態で消費税を上げると益々消費が落ち込み、日本経済が底割れする危険があるので、消費税の引き上げには慎重にならざるを得ません。

2019年10月までの消費増税延期に引きずられ、受給資格期間の短縮も先延ばしになります。

解決策

デフレによる年金への悪影響を回避するには、①デフレそのものを克服する、②デフレ下でも年金額を減らすことができる仕組みを作る、この2つが考えられます。

このうち、デフレを克服することはます不可能だと思われます(異論は多いと思いますが、、、少なくともデフレを完全に克服できることを前提とした都合のよい制度設計をするべきではありません)。そのため、個人的にはデフレ下でも年金額を減らすことができる仕組みに、現在のマクロ経済スライドを再構築するしかないと考えます。もちろん年金受給者にとっては軽々に受け入れられる提案ではありませんが、もう、待ったなしの状態に既に追い込まれているという認識をあらゆる世代で共有することが必要ではないでしょうか。

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