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社会保険料の実質は税金!?

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よく社会保険料は「実質的な税金」、「第2の税金」と言われます。もちろん社会保険(国民年金、厚生年金、健康保険、国民健康保険)の保険料は税金ではありません。年金の保険料を支払えば将来、自分の年金として還ってきます。健康保険の保険料を支払うことによって様々な医療サービスを受けることができます。つまり給付と反対給付の関係が明確なので、使途が多岐に渡る税金とは明らかに異なります。でも、もしかしたら税金よりも税金的かもしれません。

税金の役割、機能

税金の大きな役割は「所得の再配分」です。
再分配といっても生活保護費や消費税増税に伴う臨時福祉給付金のような直接的なものに限りません。高所得者の最高税率が45%であるの対して、所得の低い人は税率0%のこともあります。いわゆる累進課税制度によるものですが、納税額に関わらず基本的に同じサービスを受けることができます。(それどころか逆に高額所得者は給付が制限されることさえあります。)

安全で社会的な生活を営むには警察や消防が必要です。だれもが救急車を呼んでもその費用は請求されません。防災や道路の敷設や、その他行政サービスにもお金が必要ですが、税金をたくさん納めている人も少ない人も必要不可欠な行政サービスを平等に受けることができます。その意味では誰もが所得再配分の対象であるといえます。

国民年金による所得の再分配

老齢基礎年金の財源は2分の1が国庫負担(税金)です。言うまでもなく税負担は高所得者ほど大きくなりますが、給付される老齢基礎年金は納税額に関わらず一律です。

厚生年金保険料による所得の再分配

厚生年金の保険料には基礎年金部分と報酬比例部分がふくまれています。保険料は所得(標準報酬月額と標準賞与額)に比例していますが、年金支給額は支払った保険料に完全には比例していません。保険料に比例しているのは報酬比例部分のみで、基礎年金部分については所得が多い人の方がたくさん負担しているのに対して、給付額は変わらないためです。

この点については下記のページで詳しく説明しています。

このように、厚生年金でも所得再分配のしくみが機能しています。

健康保険保険料による所得の再配分

加入者間での再分配

会社員が加入する健康保険はさらにこの傾向が顕著です。
まず厚生年金と違い、支払う保険料に関わらず受けられる医療は全く変わりません。それに対して最も多く負担している人は最も少ない人の20倍以上の保険料となり、事業主負担と合わせて毎月10万円以上を支払っています(平成27年)。これは月額の給与(標準報酬月額)に基づいてる部分だけで、賞与についてもその額が多いほど負担額は高くなります。繰り返しになりますが、これだけ負担の差があっても受けられる医療は全く同じです。

ちなみに厚生年金の保険料の格差は最大で6.3倍(平成27年)となっています。厚生年金には報酬比例部分の給付があるため、そのあたりが健康保険保険料との差となっているのかもしれません。

世代間での再分配

現在はどこの健康保険組合もたいへん厳しい財政事情となっています。その主な原因は老人保健(後期高齢者医療制度)への拠出が義務づけられているからです。つまり高齢者の医療費の多くを現役世代の保険料で賄う図式になっているのです。そのため、健康保険料は使途が医療費等に限定された税金だと言えそうです。

税との一体化

このように見ていくと、いっそ税金と一体化すればいいのではないかといった議論も必然的にでてきます。具体的には税と社会保険料の徴収を歳入庁に一元化し、年金も最低保証年金を誰でももらえる仕組みにするという案です。ただ、最低保証年金はハードルが高すぎて実現しそうにありません。

ならば、せめて歳入庁による徴収の一元化だけでも実現して行政の効率化を図るべきだと思うのですが、これも厚生労働省の猛反対で簡単ではないようです。

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