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初診日の証明についての緩和措置

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障害年金を受給するためには初診日を明らかにしなければなりません。しかし、発症から長い年月が経過した後になって障害年金を請求するときには、この初診日の証明が往々にして困難を伴い、結果として年金を受取れないことがあり問題視されていました。

そのため平成27年10月からその要件が一部緩和されました。

過去に従来の方法で審査されたために不支給と判定された件についても、平成27年10月1日以降に再申請されたときは、新しい判定基準に基づいて改めて審査が実施されます。

初診日証明の原則

障害年金の初診日、つまりその傷病に付き最初に医療機関を受診した日を証明するには、医師が作成した診療録(カルテ)に初診日の記載がなければなりません。しかし、カルテの最低保管期限は5年と定められているので証明が困難なケースもあり、いくつかの例外も認められます。その例外につき、今回の改正で要件が緩和されました。

本人の申立てに基づく医療機関が作成した資料

以下、厚生労働省が作成した資料の抜粋です。

請求の5年以上前から、障害年金を申請することを念頭に本人が医療機関に初診日の申立てを行うことは通常想定されないことから、5年以上前に医療機関が作成した資料に本人申立て診療日が記載されている場合には、初診日を認めることができる取り扱いとする。
また、医療機関による資料の作成が、請求の5年以上前ではないが相当程度前である場合には、初診日を認めることができる取り扱いとする。

つまり、5年以上もしくは相当程度前に作成されたものなら、障害年金をもらうために5年以上も先のことを考えて虚偽の初診日を医師に対して申告したとは考えにくいので初診日として認める、ということだと思われます。

代替による証明

カルテによる証明ができないときは他の書類等により初診日を証明できることがあります。このカルテの代わりになるもとのとして、厚生労働省では初診日を証明できる可能性があるものとして下記を例示しています。

・さかのぼれる一番古いカルテに基づく医師の証明
・事業所の健康診断の記録
・発行日や診療科等が確認できる診察券
・健康保険の給付記録
・身体障害者手帳作成時の診断書
・交通事故証明書
・入院記録及び診察受付簿
・労災の事故証明書
・お薬手帳(発行日(受診日)や診療科等が確認できるもの)
・糖尿病手帳(発行日(受診日)や診療科等が確認できるもの)
・領収書(発行日(受診日)や診療科等が確認できるもの)

このような事例に基づく初診日の証明は今回の改正によるものではなく、既に実施されています。しかし、今後は、事例情報の共有などを通じて、カルテがない場合はこれらが参照できることを周知徹底し、相談時に活かすこととなりました。

また、これまでは請求傷病での診療が行われた可能性が高いと判断できる診療科の場合のみの取り扱いでしたが、緩和措置後にはその他の場合でも、他の参考資料も合わせて提出すれば初診日として認めることができるようになりました。

保険料納付要件を満たすことが明らかな場合

障害年金を受給するためには、初診日の前日における保険料納付要件を満たさなければならず、そのために初診日を特定しなければなりません。しかし年月日まで特定しなくても初診日の前日において保険料納付要件を満たしていると推定できるケースもあります。

初診日が不明でも保険料納付要件を満たす事例

(事例)
例えば傷病の原因が職務上であることが明確で(仕事のプレッシャーが原因でうつ病が発症した、等)、かつ、その傷病に付き離職以前に通院歴があったとします。図表で示すとおりこの事例では20歳から厚生年金の被保険者であるため、初診日が特定できなくても、初診日において厚生年金の被保険者であり、かつ、その前日において保険料納付要件を満たしていることは明白であるため初診日は特定されなくてもよいとされます。

第三者証明

これまでは第三者による初診日証明は初診日が20歳前の障害基礎年金の場合のみ認めることができましたが、改正により20歳以降においても、第三者証明を合理的に推定する他の資料と合わせて提出されたときに限り認めることができるようになりました。

その他

厚生労働省の資料によると、『上記に限らず、初診日の確認に当たっては、初診時の医証がない場合であっても、2番目以降の受診医療機関の医証などの提出された様々な資料や、傷病の性質に関する医学的判断等を総合的に勘案して、、本人申立てによる初診日が正しいと合理的に判断できる場合は、本人申立ての初診日を認めることができる取り扱いとする。』とされています。

ここまでいろいろと要件についてお話してきましたが、結局は形式的なことはあまり(ほとんど?)重要ではなく、要は初診日について合理的に証明できることが大切だと言えそうです。

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