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マイナンバーの施行で年金はどのように変わるか

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マイナンバー制度が施行されると年金がどのように変わるのかについて、多くの方が関心を寄せているようなので、現在(平成27年5月30日)時点で分かる範囲でお伝えします。なお、制度の運用についてはまだ詳細に決まっている訳ではなく流動的であることをご了承ください。今後については、都度このサイトでご報告します。

年金機構のスケジュール

年金機構が公表した資料によると、平成28年にシステム構築、すなわち年金受給者及び被保険者とマイナンバーの紐付けを行い、翌平成29年から実際の運用が順次開始されます。

私たちへの影響

年金機構側は各省庁や地方自治体の個人情報にアクセスできるようになるため、事務処理の効率が上がることが期待できます。一方で、年金に関する私たちへの影響はさほど大きくないと思われます。以下でマイナンバー制度の導入によって変わると思われる点をいくつか挙げておきます。

一部添付書類の省略

年金の裁定請求の際、加給年金等の生計維持を支給の要件とするもの、第3号被保険者の認定や初診日が20歳前の障害年金等については所得(課税)証明の添付書類が必要とされています。

これらの添付書類についてはマイナンバーの運用が開始されれば年金機構で所得が把握できることになるので添付が不要になるはずです。

その他には住民票等についても提出が不要になるかもしれません。

裁定期間等の短縮(?)

年金は請求をしてから実際に支給されるまでの期間が数ヶ月かかることが当たり前ですが、外部からの情報照会の期間が削減されるものがあるので、請求から支給までの期間が短縮されるかもしれません。

同様の理由で保険料の免除申請についても、審査期間が短縮されるかもしれません。現行では3ヶ月程度必要とされていますが、審査が長引くことによって重大な問題が発生する可能性があるので、ぜひとも審査期間を1ヶ月程度に短縮してほしいものです。

強制徴収の増加(?)

国民年金年金保険料の未納者のうち、一定以上の収入がある人を対象にして財産の差し押さえによる強制徴収が行われていますが、マイナンバーによって瞬時に国民全員の所得が把握できることになります。そのため、対象者洗い出し作業の効率が格段に向上し、その結果、強制徴収の対象者が増加するかもしれません。

本来の目的

このように、マイナンバー制度が導入されても、年金に関しては私たちに与える影響は限定的であると考えています。ところで、そもそもマイナンバー制度がなぜ導入されたのかを考えてみたいと思います。

政府が唱える目的は主に①行政の効率化、②負担(主に課税)の公正化、の2点です。しかし効率化というのならば、人件費の削減とセットでなければ意味がありませんが、マイナンバーの導入を機に公務員の人件費が削減されるといった類の話は全く聞きません。

むしろマイナンバーの担当部署や外部組織の新設によって、全体としての経費(もちろん元は税金です)は増大することでしょう。課税の公正化やマネーロンダリングを防止することは大切ですが、それが国家財政に影響を与えることはほとんどありません。

では何が目的か?
マイナンバーの目的は課税の強化と社会保障費の削減です。はっきりと言えば反発が大きいので表立って明言されることはありませんが、その『証拠(?)』の一端をお見せします。(このサイトは年金情報の提供を目的としているので、社会保障費についてお伝えします。)

収入に応じた年金の減額検討

平成27年5月19日の財政諮問会議では収入の多い高齢者の基礎年金を減額することが提言され、今後の財政健全化計画に盛り込まれる見通しとなりました。
老齢基礎年金の給付の半分は税金から拠出されています。そのため、所得額に応じて老齢基礎年金を減額し、所得額が多い人は最大で2分の1が減額となることが想定されます。

マイナンバーと直接関係無いと思われるかもしれませんが、これまでは厚生年金の被保険者の給与と賞与(標準報酬月額及び標準賞与額)しか年金機構では把握できなかったので、在職老齢年金として厚生年金の被保険者が受給している老齢厚生年金のみが減額の対象でしたが、マイナンバーによってそれ以外の収入も把握できることになりました。現時点では検討段階ですが、ほぼ間違いなく老齢基礎年金も所得に応じて減額となります。

マイナンバーを預金口座にも適用

マイナンバーを預金口座にも適用することが5月21日の衆院本会議で可決されました。当初は任意とのことですが、平成33年以降は義務化も検討されるとのことです。現行では「義務化を検討」とされていますが、間違いなく義務化されます。「資産額に応じた年金の減額と高齢者健康保険保険料の徴収強化」を見据えていると思って間違いないでしょう。

この2点は平成25年の10月に投稿した記事、「マイナンバー制度と年金」で指摘したことです。そのときはまだ法案や政府諮問機関の提言として表に出てくることはありませんでしたが、今(平成27年5月)になって、実現に向けて急に前に進みだした感があります。

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