スポンサーリンク

失業手当の会社都合と自己都合

Pocket

失業手当の概要は下記のリンクを参照してください

以前、私が勤めていた会社でこんな会話がありました。
とある後輩が上司とトラブルを起こし、かなり険悪な事態に発展してしまいました。

私は少し心配になってその後輩に「このままだとヘタするとクビが飛ぶぞ」と冗談半分で忠告(?)をしたのですが、興奮冷めやらぬ彼は、「クビなら会社都合だから失業手当がたくさんもらえてラッキーだ」などと息巻いていました。

その頃の私は雇用保険の知識が全く無かったので、何を言っているのか全く分かりませんでしたが、失業手当(基本手当)を受けるときに「会社都合で」、「自己都合で」といった区別が広く一般的に用いられているようです。

失業手当の受給資格者の種類

基本手当(以下、失業手当)受給資格者には以下の3種類があります。

1.特定受給資格者
2.就職困難者
3.上記の2つ以外の一般の受給資格者

・特定受給資格者と就職困難者のどちらにも当てはまる人は就職困難者となります
・就職困難者とは障害、社会的事情等により就業が著しく阻害されている人を指します

この3者の違いは失業手当の所定給付日数にあります。この中で最も所定給付日数が多い、つまりたくさんの失業手当をもらえるのが就職困難者、次が特定受給資格者で最も少ないのがそれ以外の受給資格者となります。

会社都合による離職

「会社都合」という呼称は正式なものではないので厳密な定義があるわけではありませんが、上記1の特定受給資格者のことを指してしていると思われるので、ここでは特定受給資格者について詳しく説明します。

この特定受給資格者は大きく、①事業の倒産、縮小、廃止による離職と、②解雇等による離職の2つに分けられます。その細目については雇用保険法施行規則で定められています。かなり長い条文ですが、どれも重要なので、ここに全文を掲載します。

事業の倒産等による離職

一  倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始若しくは特別清算開始の申立て又は前条の事実をいう。)に伴い離職した者
二  事業所において、雇用対策法 (昭和四十一年法律第百三十二号)第二十七条第一項 の規定による離職に係る大量の雇用変動の届出がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この条において同じ。)の数を三で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した者
三  事業所の廃止(当該事業所の事業活動が停止し、再開する見込みがない場合を含み、事業の期間が予定されている事業において当該期間が終了したことによるものを除く。)に伴い離職した者
四  事業所の移転により、通勤することが困難となつたため離職した者

解雇等による離職

一  解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。)
二  労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したこと。
三  賃金(退職手当を除く。)の額を三で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかつた月が引き続き二箇月以上又は離職の日の属する月の前六月のうちいずれか三箇月以上となつたこと。
四  次のいずれかに予期し得ず該当することとなつたこと。
イ 離職の日の属する月以後六月のうちいずれかの月に支払われる賃金(最低賃金法 (昭和三十四年法律第百三十七号)第二条第三号 に規定する賃金(同法第四条第三項第一号 及び第二号 に掲げる賃金並びに歩合によつて支払われる賃金を除く。)をいう。以下この号において同じ。)の額が当該月の前六月のうちいずれかの月の賃金の額に百分の八十五を乗じて得た額を下回ると見込まれることとなつたこと。
ロ 離職の日の属する月の六月前から離職した日の属する月までのいずれかの月の賃金の額が当該月の前六月のうちいずれかの月の賃金の額に百分の八十五を乗じて得た額を下回つたこと。
五  次のいずれかに該当することとなつたこと。
イ 離職の日の属する月の前六月のうちいずれか連続した三箇月以上の期間において労働基準法第三十六条第一項 の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)(当該受給資格者が、育児・介護休業法第十七条第一項 の小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であつて同項 各号のいずれにも該当しないものである場合にあつては同項 、育児・介護休業法第十八条第一項 の要介護状態にある対象家族を介護する労働者であつて同項 において準用する育児・介護休業法第十七条第一項 各号のいずれにも該当しないものである場合にあつては同項 )に規定する時間を超える時間外労働が行われたこと。
ロ 離職の日の属する月の前六月のうちいずれかの月において一月当たり百時間を超える時間外労働が行われたこと。
ハ 離職の日の属する月の前六月のうちいずれか連続した二箇月以上の期間の時間外労働時間を平均し一月当たり八十時間を超える時間外労働が行われたこと。
ニ 事業主が危険又は健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じなかつたこと。
六  事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行つていないこと。
七  期間の定めのある労働契約の更新により三年以上引き続き雇用されるに至つた場合において当該労働契約が更新されないこととなつたこと。
七の二  期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなつたこと。
八  事業主又は当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく害されるような言動を受けたこと。
九  事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。
十  事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き三箇月以上となつたこと。
十一  事業所の業務が法令に違反したこと。

ポイント

かなり長い条文である上に法律独特の難しい言い回しが多用されていて、誰も全文を読まないと思われるのでポイントをかいつまんで説明します。

事業の倒産等による離職

会社が倒産したときだけでなく、事業の縮小に伴って大量の人員整理が行われたときや、事業所が移転しても介護等の家庭の事情で転居が困難なときも特定受給資格者となる可能性があります。

解雇等による離職

こちらは大変多岐に渡っています。会社に指名されて解雇となった場合だけでなく、追い出し部屋に「配属」されて暗に退職を勧められたような場合もあてはまると思われます。

また、賃金未払い、予期せぬ減給、長時間労働、労働契約不履行、健康を害するおそれがあるのに適切な配置転換が行われない、セクハラやパワハラを受けた、法令違反をした等の問題企業を自主的に離職する場合も特定受給資格者となる可能性があります。

手続き

離職するにあたり事業主から離職票を渡されます。そこには離職理由の記入欄があり、「事業主の見解としての」離職理由が記入されています。その理由に異議があれば、その旨を離職票に記入した上でハローワークに提出します。

自分では会社都合(特定受給資格者)であると考えていても事業者側はそうでなく、自己都合によるものとして離職票に記入していることがよくあります。

そのような場合は労働契約書、給与振込の銀行口座の預金通帳、タイムカードの写しなどの資料提出を求められることがあるので、ハローワークの指示に従ってください。

自己都合による離職

広い意味では上記の会社都合によるものでない場合は自己都合による離職となり、上記の特定受給資格者に対して「一般の受給資格者」と言われています。具体的には、
・妊娠、出産、育児等のための離職
・父母の扶養、介護等のための離職
・転居により通勤が困難になった
等の理由によるものが自己都合による離職(一般の受給資格者)に該当すると考えられます。

一般の受給資格者と特定受給資格者の違いは所定給付日数、つまり失業手当が支給される日数の差です。更に一般の受給資格者のうち、
①自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合
正当な理由なく自己都合によって退職した場合
いずれかに該当する場合、待期期間(7日間)満了後、更に3ヶ月の間、失業手当は支給されません。

Pocket

スポンサーリンク

年金質問箱

サイト内検索

スポンサーリンク