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中国の年金事情

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先日(6月24日)、NHKのBS番組で中国の年金事情についての特集をしていました。中国ではいま、社会保障の充実を訴える労働者のデモが頻発しているそうです。

その特集は地方から大都市である広州に移り住み、警備員の仕事をしている人が当局に拘束されて、9ヶ月ぶりに開放されたところから始まります。その人が大都市に来て働く理由は、年金制度の違いによるそうです。

中国の年金制度は運営主体が各地方政府なので、年金制度が都市(地域)毎に異なります。この拘束された人はより多くの年金が支給されることを望み、大都市で働くことにしました。ところが、広州で働いているにも関わらず、小さな地方都市の派遣会社から派遣されていることになっていました。そのため、その地方都市の(広州よりもずっと給付が少ない)年金しか受給できないことを知り抗議活動を行い、当局に拘束されたという経緯です。

中国の労働者年金制度も日本と同じく労働者と事業主がそれぞれ保険料を負担します。この人を雇っていた警備会社も保険料負担を抑えるために、地方の派遣会社から派遣されていることにしたのでしょう。

ちなみに日本の場合は国民年金法、厚生年金保険法いずれも「政府が管掌する」と明記されています。年金の勉強をしていたときは、ほとんど気にも留めない条文でしたが、中国の年金事情を知ると、大きな意味がある条文だと気付くことができます。もし「都道府県が管掌する」ような年金制度だったら、住む場所によってもらえる年金が変わっていたことでしょう。

話を番組に戻します。
この番組に出演していた中国の社会保障問題に詳しい大学の先生から中国の年金事情について説明がありました。鄧小平による改革開放政策が実施される前の中国の労働者は大きく国営企業で働く労働者と農民の2つに分かれていました。

このうち、年金制度の対象となっていたのは労働者で、農民は土地が与えられているという理由で、年金制度の対象ではありませんでした。

その後、急激な経済成長で世界の工場となり、多くの農村出身の労働者が都市で働くことになりました。いわゆる農民工といわれる人たちです。これ以外にも不動産開発のために農地を収用されて農業を続けることができなくなった人も多数存在します。

これらの人々は年金や医療などの社会保障を十分に受けられず、新たな社会不安の原因になりかねません。
中央政府もこの問題を十分に把握しており、年金や医療が広く行き渡ることを目指していますが、実際にこれを行うのは地方政府です。現行制度に継ぎ足している状態で制度の抜本改革には至ってはいません。

これから急激な高齢化社会を迎える中国にとって、年金や医療の社会保障問題は、わが国と同様に喫緊の課題と言えそうです。

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