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年金トリビア:国民年金保険でない理由

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私たちが普段、厚生年金と呼んでいるのは正確には「厚生年金保険」です。そのため厚生年金について規定している法律の正式名称は「厚生年金保険法」といいます。

同様に健康保険は健康保険法、労災は労働者災害補償保険法が正式な名称となっています。労働保険と社会保険に共通するのは最後が「...保険法」となっている点です。

従って国民年金は「国民年金保険法」となるはずですが、なぜか国民年金は例外で「国民年金法」、つまり最後が「保険法」になっていません。なぜそうなのか、もちろん付け忘れたのではなく、ちゃんとした理由があります。

保険とは

なぜ国民年金だけ「保険法」が最後につかないのかをお話する前に保険とは何かについて少し触れておきます。
保険とは保険契約者が保険料を支払い、予め契約で定められた事象(保険事故といいます)が発生したときに規定の保険金を支払うしくみです。

このしくみを公的年金にあてはめてみます。
保険契約者、つまり国民年金もしくは厚生年金の被保険者(もしくは被保険者であった者)は毎月の保険料を納付して、ある日保険事故に該当すれば年金や一時金が支払われる訳です。老齢という保険事故が発生すれば老齢基礎(厚生)年金が、障害という保険事故が発生すれば障害基礎(厚生)年金が、死亡という保険事故が発生したら遺族基礎(厚生)年金が遺族に支給されることになります。もちろん年金を受け取るには、保険事故が起こる前に規定の保険料を納めていなければなりません。

2つの例外

ここまでの話では国民年金も保険の要件を満たしているようなので、国民年金保険でもよさそうですが、ひとつだけ問題があります。
初診日が20歳前の障害年金は20歳になる前に障害になった人に支給されますが、被保険者ではないので当然保険料を負担していません。このようないわゆる無拠出の障害年金は20歳前障害以外にもうひとつあります。

昭和36年4月から国民年金が始まりましたが、それより前に障害状態になってしまった人は国民年金によって救済される余地はありません。そのため、この様な人、つまり昭和36年4月1日より前に初診日がある障害についても20歳前障害と同様に保険料の支払いがなくても障害年金が支給されることとなりました。

この2つの無拠出の障害年金があるため一部保険の要件を満たさず、そのために国民年金だけは国民年金保険法ではなく、国民年金法になったと思われます。たったこれだけのことでと思われるかもしれませんが、法律や行政は「、」や「。」の位置にまでこだわる世界です。おそらくこの程度の例外くらい、では済まされないのでしょう。

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