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障害等級と障害認定基準

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障害認定基準はその名のとおり、厚生労働省が定めた障害等級を判定する基準となるもので、①一般的事項、②障害認定に当たっての基本的事項、③障害認定に当たっての基準、の3セクションで構成されています。

障害認定基準については下記の日本年金機構のサイトで公開されています。

一般的事項

このセクションは障害年金の用語解説で、「障害の状態」とは「政令等に定める程度の障害の状態にあり、かつ、その状態が長期にわたって存在する場合をいう」とされています。

障害年金は障害認定日後に支給されることになっています。なぜかといえば長期に渡って障害状態が続くことが支給の要件となっているからです。そのため、障害がこれ以上よくなる見込みがない(障害年金用語では治癒といいます)、もしくは初診日から1年6月以上を経過しないと受給できないしくみになっているのです。

障害認定にあたっての基本的事項

このサイトで幾度となく取り上げた障害等級と障害の関係についての記述です。少々長くなりますが、全文を掲載します。

なお、ここで示した1級から3級の障害状態の定義は基本的なもので、次項「障害認定に当たっての基準」で具体的な身体の部位や疾患に応じた障害等級の判定基準が示されています。

(1)1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずる ことを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。
(2)2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。
(3)3級
労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。
また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については 、第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。)
(4)障害手当金
「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。

一見してお分かりのとおり、障害と認定されるにはかなり厳しい要件を満たさなければなりません。この定義を厳密に運用すれば多くの人が認定から漏れてしまいます。

障害年金の最も大きな役割は障害が原因で働けない人への所得補償です。上記の障害状態に該当するまでいかなくても、障害のために働くことができない人も大勢います。その意味でこの基準は問題があると言えそうです。

そもそも一言で障害といっても原因となる傷病は外部疾患であったり、内臓疾患であったり、あるいは精神疾患であったりするので、それらについて共通の基準を設けるのは不可能です。そのため実際には障害認定の基準(次項)が身体の部位毎に定められ、それに従って障害状態が判定されます。

しかしこの厳しすぎる基本的事項が独り歩きし、障害年金の受給をあきらめてしまったり、あるいは基本的事項を根拠にして厳格過ぎる審査が行われることが懸念されます。

障害認定に当たっての基準

このセクションでは、疾患や身体の部位毎に障害状態を定義しています。

しかし目や耳等の障害では、その機能障害の程度について数値等で客観的に示すことが可能な場合が多いのですが、その他の多く、特に精神障害ではそれが難しく、医師の所見や日常生活を障害状態の判定基準とせざるを得ません。

その際は「著しい」、「総合的」といった客観性の乏しい基準が多く用いられ、往々にして障害者にとって厳しい審査結果が導かれます。また日本全国同じ認定基準を用いているにも関わらず地域によって認定率に大きなばらつきがある点も問題視されています。

また、審査する側(障害認定審査医員)は自分で生活状態を調べることはありません。書面に書かれていることのみを元に判定します。十分な情報の元で審査が行われていないことも起こりうることです。

障害の状態についてできるだけ具体的で客観的な表現を使うよう改定が行われていますが、まだまだ課題は少なくないようです。

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