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保険料強制徴収の徴収コストと意義

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参照リンク

年金保険料の強制徴収プロセスは下記のリンクを参照願います

年金徴収とコストの関係

保険料の未納対策で、行政も保険料を徴収するためにかなりの労力、つまり予算をつぎ込んでいます。
例えば翌月末の納期までに納めないと、委託業者から電話がかかってきたり催告状が送付されたり、場合によっては自宅訪問まで。ずいぶんコストがかかっているなと感じます。

しかし、今の年金制度は賦課方式を採用しているので、未納が多いと制度を維持することができなくなってしまいます。それに、免除手続きを怠って将来の年金額が減ったり、あるいは全くもらえない人が増えれば、結局別の形で将来の社会的な負担は増加するので、ある程度のコストは止むを得ないのかもしれません。

強制徴収は100円あたり90円のコスト

特に強制執行による財産の差押では直接要するコストもさることながら、執行対象となる財産の調査その他、そこに至るプロセスで生じるコストは相当なはずです。いったいどのくらいかかっているのでしょうか。

と常日頃疑問に思っていたのですが、最近、たまたまそのことについて厚生労働省が発表した資料を見つけました。強制徴収を行う場合のコストは100円当たり90円程度とのことです。
国民年金の保険料は月に約15,000円、1回の強制徴収における滞納月数は最長で24ヶ月分、そこに年14.6%の延滞金が付加された額が(最大で)強制徴収の対象となることを考えると、このコスト計算は概ね妥当だといえそうです。(平成27年1月から年9.2%(3ヶ月以内は2.9%)になりました。)

経済的合理性の検証

90円のコストをかけて100円を回収できるのだから、一見よさそうな気がしますが、保険料を受取ったからには、当然、将来の年金給付額が増えます。保険料だけもらって年金を支払わないならば、ほぼ収支トントン。保険料と同額の年金を支払えば、単純計算で受取った保険料とほぼ同額の赤字、保険料の2倍の年金給付ならば更にその倍の赤字となります。

このように考えると経済的な合理性の観点から、強制徴収はする意味がないどころかすべきではない、と言う結論に至ります。

強制徴収の意義

では、なぜ強制徴収をおこなうのでしょうか。最も大きな理由は未納者を減らすことにあると思われます。
保険料を納めたくない人は、絶対に強制徴収がないとわかっていれば保険料を納めることはまずないでしょう。しかし、そのような人でも実際に強制徴収が行われていれば自分の財産が差押さえになることへの恐怖から、渋々ながら保険料を納めることも少なくないと推定できます。そのため、全体の納付率は間違いなく上がります。賦課方式の年金制度の下では未納者の増大が、年金財政の危機に直結するので、この点が最も重要です。

さらに別の理由もあると私は考えます。
例えばこれが税金だったらどうでしょうか? 摘発によって回収できる額以上にコストがかかるという理由で脱税を放置するすることはあり得ません。単に脱税は犯罪であると理由からだけでなく、税の公平性の観点からもコスト度外視で摘発にあたっているはずです。

誰のために保険料を払っているのか?

繰り返しになりますが、現在の年金制度は賦課方式となっています。したがって、今、支払わなければならない保険料は現在の社会保障制度を維持するための負担であると考えれば、その義務(社会保障制度を維持するための保険料納付)を果たしていない未納は(犯罪ではないにしろ)脱税と同様にコストなど度外視しても徴収にあたるべきとの考え方もできます。

自分の支払っている保険料は将来の自分のため支払っていると誰もが(もちろん私自身も)考えていますが、そうではないと考えている人も行政担当者を中心に少なくないようです。

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