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働きながら受給する老齢年金

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多くの会社では60歳で定年退職となりますが、定年延長の法制化や再雇用制度の一般化で60歳以降も年金を受給しながら働き続ける人も増えてきました。
このページでは60歳以降、会社員として働きながら年金を受給した場合についてお話します。

働く人の60歳代前半の年金と給与

生年月日が昭和36年(女性は昭和41年)4月1日以前の人は要件を満たせば60歳代前半の老齢厚生年金を、65歳になる前まで受給することができますが、いくつか注意すべきポイントがあります。

ポイント1:在職老齢老齢年金による年金の減額

在職老齢年金のしくみによって年金額が減額されることがあります。
但し、この減額が行われるのは厚生年金の被保険者である場合です。つまり、厚生年金の適用を受けない事業所や労働時間等によって厚生年金の被保険者にならない(厚生年金に加入しない)働き方の場合は年金が減額されることはありません。

ポイント2:高年齢雇用継続基本給付金

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳になって以降も継続して働くときに(同じ会社である必要はありません)、60歳時点の賃金と比較して75%未満に低下したときに雇用保険から支給される給付金です。
高年齢雇用継続基本給付金と同時に老齢厚生年金を受給できるときは上記の在職老齢年金による減額に加え、更に年金が減額されます。

ポイント3:高年齢再就職給付金

基本手当(失業手当)を受けていた人が、60歳に達した日以降に安定した職業に就いて雇用保険の被保険者となり、60歳もしくは離職時点の賃金と比較して75%未満に低下したときに雇用保険から支給される給付金です。
高年齢雇用継続基本給付金と同様の年金の減額が行われます。

ポイント4:厚生年金の長期加入特例

厚生年金の加入期間が44年以上あると60歳代前半の老齢厚生年金は報酬比例部分に加えて定額部分も支給されます。また、要件を満たす配偶者がいる場合は、さらに加給年金も支給されます。

但し、働いていて厚生年金の被保険者である間はこの特例の適用はありません。

ポイント5:老齢厚生年金の退職時改定

厚生年金の被保険者として働いている間は老齢厚生年金は増えません。退職して厚生年金の被保険者でなくなり、被保険者でない期間がひと月あれば就労中に支払った保険料が反映されて、老齢厚生年金の報酬比例部分(概要)が増額されます。

(退職をしなくても65歳になれば本来の老齢厚生年金が始まり、そのタイミングで退職時改定と同様の増額があります)

年金の受給パターン

この章では、60代前半の老齢厚生年金を62歳から受給できる人を例に解説します

厚生年金の被保険者でない場合

年金の減額がないパターン

年金を受給できるようになってからは働かない、もしくは厚生年金の被保険者とならない働き方(労働時間を抑えるor厚生年金適用外の事業所に勤める)をすれば、年金が減額されることはありません。

要件を満たした場合には65歳から経過的加算加給年金が支給されます。

引き続き厚生年金被保険者の場合

60歳時点から賃金が75%未満に低下した場合、60歳から65歳まで高年齢雇用継続給付金が支給されます。一方で年金額は在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金が支給されることにより、老齢厚生年金は減額されます。

事例

高齢者雇用継続基本給付金を受給しながら受ける在職老齢年金
  • ・保険料納付済月数(20歳~60歳):480月
  • ・報酬比例部分の支給開始年齢:62歳
  • ・62歳からの報酬比例部分年金額:60万円
  • ・60歳時点の賃金:50万円
  • ・60歳以降の賃金(総報酬月額相当額):25万円
  • ・賞与:なし
  • ・65歳の誕生日で退職

高年齢雇用継続基本給付金の支給

60歳からの賃金が61%以下に低下したため、低下後の賃金の15%、つまり
25万円×15%=3.75万円が高年齢雇用継続基本給付金として60歳から65歳まで支給されます。

在職老齢年金による年金の減額

62歳からの報酬比例部分の年金は在職老齢年金によって、
[25万-{28万-(60万÷12月)}]÷2=1万円が支給停止となります。
詳細は在職老齢年金による年金の減額のページで確認してください。

高年齢雇用継続基本給付金の支給による年金の減額

このケースでは標準報酬月額の6%にあたる年金が支給停止になります。
詳しい説明は省略しますが、賞与の支給がない場合は総報酬月額相当額と標準報酬月額は同額になります。
したがって、
25万×6% = 1.5万円が減額されます。

退職後(65歳以降)の年金

62歳から65歳になる前の3年間に支払った保険料は、在職中は年金額に反映されませんが、退職して再就職せずに1月を経過すると、この分の保険料が報酬比例部分に反映されます。(退職しなくても65歳になった時点で年金額の改定がおこなわれます。退職時、及び65歳で年金額が改定される点がポイントです。)

この間に支払った保険料によって、報酬比例部分が約5万円増額となります。
また、在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金による支給停止も解除され、65歳からの老齢基礎年金が新たに支給されることになります。

まとめ

(60~61歳:月額)
高年齢雇用継続基本給付金:3.75万円

(62~64歳:月額)
高年齢雇用継続基本給付金:3.75万円
報酬比例部分(月額) :5万円
在職老齢による支給停止 :▲1万円
高年齢雇用継続基本給付金による支給停止:▲1.5万円

(65歳~:年金額)
老齢厚生年金(報酬比例部分):65万円
老齢基礎年金:満額

このほかにも要件を満たした場合には経過的加算加給年金が支給されます。

厚生年金長期加入の特例

厚生年金の長期加入特例については下記のリンクページを参照してください

厚生年金に44年以上加入している場合は報酬比例部分に加えて定額部分が(要件を満たせば加給年金も)加算されます。例えば18歳から60歳まで厚生年金に加入していた場合、あと2年の間、厚生年金に加入すればよいことになります。

事例

長期加入特例の老齢厚生年金の受給例
  • ・厚生年金被保険者期間(18歳~62歳):44年
  • ・報酬比例部分の支給開始年齢:62歳
  • ・62歳からの報酬比例部分年金額:60万円
  • ・60歳時点の賃金:50万円
  • ・60歳以降の賃金(総報酬月額相当額):25万円
  • ・賞与:なし
  • ・62歳の誕生日で退職

高年齢雇用継続基本給付金の支給

60歳からの賃金が61%以下に低下したため、低下後の賃金の15%、つまり
25万円×15%=3.75万円が高年齢雇用継続基本給付金として60歳から62歳になる前までの在職中に支給されます。

62歳から65歳になる前までの年金

この事例では62歳で厚生年金の被保険者期間が44年に達し、退職等によって厚生年金の被保険者でなくなると報酬比例部分に加えて定額部分、さらに要件を満たせば加給年金も支給されます。
定額部分は老齢基礎年金の満額とほぼ同額になります。

65歳以降の年金

報酬比例部分と加給年金は上記の62歳からと同様です。また、定額部分はなくなり老齢基礎年金に経過的加算を加えた額が支給されるのですが、この額(老齢基礎年金+経過的加算)はそれまで受給していた定額部分の額と全く同じになります。

以上の結果、62歳からの年金額と同額が65歳からも支給されることになります。

まとめ

(60~61歳:月額)
高年齢雇用継続基本給付金:3.75万円

(62~64歳:年金)
老齢厚生年金(報酬比例部分):60万円
老齢厚生年金(定額部分):老齢基礎年金の満額とほぼ同額
このほかにも要件を満たした場合には加給年金が支給されます。

(65歳~:年金額)
老齢厚生年金(報酬比例部分):60万円
老齢基礎年金+経過的加算:老齢基礎年金の満額とほぼ同額
このほかにも要件を満たした場合には加給年金が支給されます。

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