スポンサーリンク

年金の生計維持要件と生計同一

Pocket

遺族に対して支払われる年金や、養わなければならない家族(被扶養者)がいるときの年金の増額を受けるためには、遺族や被扶養者が一定の要件を満たす必要があります。この要件を判断する基準が生計維持要件です。つまり、被保険者によって養われている(いた)ことが問われます。

被保険者によって生計維持されていることが必要である対象者

  • 老齢基礎年金の振替加算の受給者
  • 老齢厚生年金の加給年金の支給要件となる配偶者、子
  • 障害基礎年金の加算対象となる子
  • 障害厚生年金の配偶者加給年金の要件となる配偶者
  • 遺族基礎年金の受給者
  • 寡婦年金の受給者
  • 遺族厚生年金の受給者
  • 中高齢寡婦加算の受給者
  • 経過的寡婦加算の受給者

なお国民年金の死亡一時金については、生計同一の要件はありますが、生計維持については要件となっていません。(生計同一と生計維持の違いについては後述)

また、国民年金の第3号被保険者についても生計を維持されていることが要件となっていますが、要件の中身が異なっている点も注意して下さい。

生計維持要件とは

生計維持要件の骨子

生計維持要件には、①生計同一要件と、②収入(所得)要件の2つの要素があり、いずれも満たす必要があります。

生計維持と生計同一の関係

年金制度では上記のように生計維持を要件とするものの他、(生計維持要件のうち)生計同一要件だけを問われる場合もあります。その場合は所得の要件はないので、生計同一であれば受給することができます。

生計同一が要件となる対象者

  • 死亡一時金を受け取る人
  • 未支給の年金、給付を受け取る人
  • 配偶者が受給する遺族基礎年金の支給要件となる子(*1)

(*1)
配偶者の遺族基礎年金の受給権は死亡した被保険者によって生計維持されていたことに加えて、配偶者に生計同一の子がいるときに限り発生し、その場合の受給者は配偶者となり、子は支給停止になります。

生計同一で支給停止になるケース

子に受給権が発生した遺族基礎年金は、生計同一の父または母がいるときには支給停止となります。その父または母に遺族基礎年金の受給権があるときには、その父または母に支給されますが、なければ誰にも支給されないことになります。

遺族年金と生計維持、生計同一の関係については下記のページを参考にしてください。

生計同一要件

①住民票上同一世帯の場合
②住民票上の世帯は別であるが住所が住民票上同一世帯の場合
③住所が住民票上異なるが、現に起居を共にし家計も同一の場合
④単身赴任や就学などで住所を別にしているが、仕送りなど経済的援助と定期的な音信が交わされている場合

ひとつ屋根の下で生活していなくても、多くの単身赴任家庭や下宿している学生は生計同一要件を満たしています。

その他にも両親が離婚して母親に引き取られた子も、父と定期的に面会し養育費等を受け取っている場合、別居でも父と子は生計同一であると認定されることもあるようです。

内縁関係の場合

正式な婚姻ではなく内縁関係の場合は、事実婚であると認定されなければ生計同一要件を満たすことができません。詳しくは下記のリンクを参照してください。

収入(所得)要件

①前年(前年分が確定していないときは前々年)の収入が850万円未満もしくは所得が655.5万円未満である場合
②上記に該当しなくても近い将来(概ね5年)以内に上記に該当することが見込まれる場合

一時的な収入、所得は除外します。

前年の収入や所得に関わらず、概ね5年以内にに定年退職や事業の廃業等によって年収が850万円、もしくは所得655.5万円に満たなくなることが見込まれる場合も収入要件を満たすことになります。

収入(所得)要件のポイント

これまでの収入要件の説明ですこし違和感を覚えた方もいるかもしれません。例えばこんなケースが考えられます。

生計維持関係の事例

共働き夫婦(共に第2号被保険者)の例で、もちろん同居しているとします。
夫の年収は妻の3倍、一般的には妻が夫の生計を維持していると言い難い状況です。

この夫婦の場合、もし妻が死亡した場合の夫の遺族厚生年金はどうなるでしょうか。もう一度上記の生計維持要件を確認してください。
夫は妻の生前、妻と同居していました。そして夫の年収も850万円未満、つまり妻によって生計を維持されているとみなされ、他の要件も満たせばこの夫は遺族基礎年金や遺族厚生年金を受給することができます。

更に極端な例をもうひとつ。
夫は第2号被保険者のサラリーマン、妻は無職、無収入の専業主婦(第3号被保険者)だとします。このとき、夫の所得が600万の場合はどうなるでしょうか?

このような場合でも夫は妻によって生計維持されていたとみなされて、もし妻が死亡したときには夫は遺族基礎年金や遺族厚生年金の受給要件のひとつである生計維持要件を満たすことになってしまいます。

このように年金制度の生計維持とは単純に年収によるものでなく、例え一方の収入が少ない場合でも相互扶助でお互いの生計を支えあっているという考えに基づいています。

Pocket

スポンサーリンク

年金質問箱

サイト内検索

スポンサーリンク