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在職老齢年金による年金の減額:平成28年度

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このページで使われている用語、標準報酬月額標準賞与額、及び総報酬月額相当額については下記のリンクページを参照してください

在職老齢年金の概要

老齢年金を受給できる場合でも、会社務めをしている人(厚生年金の被保険者)は給与額と年金額に応じて年金が減額されることがあります。
このことを在職老齢年金による年金の(一部)支給停止いいます。

減額の対象となる年金

在職老齢年金のしくみで減額される年金

厚生年金の被保険者が受給している老齢厚生年金が減額の対象になります。従って、勤めていても厚生年金の被保険者でなければ減額はありません(70歳以降は厚生年金の被保険者でなくても減額されることがあります)。もちろん老齢基礎年金も減額されません。

年齢によって減額のしくみが異なる

減額のしくみは、①60歳~65歳になる前、②65歳以降の2つの期間に分かれます。70歳以降については、老齢年金受給者は厚生年金の被保険者となりませんが、引き続き年金の減額が行われます。

60歳から65歳になる前までの在職老齢年金

いくら減額されるのかは、①その月に老齢厚生年金をいくら受け取ることになっていたのか、②その月の給与とその月を含む過去1年間にいくらの賞与を受け取ったか、によって決まります。
①は基本月額、②は総報酬月額相当額といいます。

基本月額の算定法

老齢厚生年金のうち基本月額の対象となる部分

算定の対象となる部分

厚生年金の長期加入者と障害年金の受給権者は、報酬比例部分に加えて定額部分が(要件を満たせば加給年金も)加算されます。しかし厚生年金被保険者の間は支給が停止になります。従って、基本月額の算定基礎となるのは報酬比例部分のみとなります。

算定式
基本月額 = 上記の算定基礎額(報酬比例部分) ÷ 12

年金額は1年間に支払われる額なので、それを12で割って基本月額(ひと月あたりの年金額)を求めます。 

総報酬月額相当額

その月に受け取った給与(標準報酬月額)と、その月をふくめた過去12ヶ月間に受け取った賞与(標準賞与額)を12で割った額の合計になります。

(ex.)
2013年8月の給与(標準報酬月額): 15万円
2013年6月と2012年12月にそれぞれ30万円の賞与

この場合、2013年8月の総報酬月額相当額は、
15万+(30万+30万)÷12=20万円となります。

減額される年金額

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合

減額はありません。老齢厚生年金は全額支給されます。(但し、上記の厚生年金の長期加入者と障害年金の受給権者に支給される定額部分と加給年金は支給停止)

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円を超える場合

減額される年金額の算定

まず総報酬月額相当額を47万円までの部分と超える部分に分けます。47万円までの部分の2分の1が減額されるのですが、基本月額が28万円に満たない場合は、28万円との差額を差し引いた後に2分の1を掛けた額が減額されます。もしも減額幅が基本月額以上になれば、その月の老齢厚生年金は全額支給停止となります。

総報酬月額相当額が47万円を超える場合は、上記にプラスして、超える額の全額が減額に加算されます。もしも減額が基本月額以上になれば、その月の老齢厚生年金は全額支給停止となります。

支給停止調整開始額と支給停止調整変更額

ここで示した28万円を支給停止調整開始額、47万円を支給停止調整変更額といいます。
これらの金額は年度毎に決定、変更されます。

計算例

・基本月額:10万円
・総報酬月額:20万円

28万円と基本月額(10万円)の差額は18万円、従って、総報酬月額(20万円)から18万円を差し引き、その2分の1にあたる1万円が支給停止額になります。

・基本月額:20万円
・総報酬月額:50万円

(総報酬月額のうち47万円以下の部分)
28万円と基本月額(20万円)の差額は8万円、従って、総報酬月額(47万円)から8万円を差し引き、その2分の1にあたる19.5万円が支給停止額になります。

(総報酬月額のうち47万円を超える部分)
47万円を超える部分は3万円(50万-47万)。その全額が支給停止額に加算されます。

以上の結果、支給停止額の合計は基本月額を超える(19.5万+3万=22.5万)こととなり、この月の老齢厚生年金は全額が支給停止になります。

・基本月額:30万円
・総報酬月額:20万円

基本月額が28万円を超え、かつ、総報酬月額が47万円を超えないので、総報酬月額の2分の1にあたる10万円が支給停止額となります。

・基本月額:30万円
・総報酬月額:50万円

(総報酬月額のうち47万円以下の部分)
基本月額が28万円を超えているので、47万円の2分の1にあたる23.5万円が支給停止になります。

(総報酬月額のうち47万円を超える部分)
47万円を超える部分は3万円(50万-47万)。その全額が支給停止額に加算されます。

以上の結果、支給停止額は26.5万円(23.5万+3万)となります。

下記のリンクページも参考にしてください

高年齢雇用継続給付との支給調整

60歳以降も継続して就業する一定の要件を満たす人には雇用保険から高年齢雇用継続給付が支給されますが、この場合は老齢厚生年金が更に減額されます。

調整法
高年齢雇用継続給付金の最高支給額は賃金額の15%ですが、最高額が支給される場合に、標準報酬月額の6%にあたる額が在職老齢年金の減額に加えて更に減額されます。
この減額は、高年齢雇用継続給付を受給できる額が減っていくのに比例して減額率も小さくなり、給付金の額がゼロのときは在職老齢年金から減額される額もゼロになります。

65歳からの在職老齢年金

65歳以降の減額対象部分

算定の対象となる部分

報酬比例部分が、減額の対象になります。加給年金は減額されませんが、報酬比例部分が全額支給停止となった場合は、加給年金も全額が支給停止となります。

経過的加算額は全額支給されます。

計算法

基本月額と総報酬月額相当額が47万円(支給停止調整額といわれています)を超えた場合のみ、超えた分の2分の1が支給停止となりますが、超えなければ減額はゼロとなり、年金の全額が支給されます。

例えば、基本月額が20万円、総報酬月額相当額が30万円の場合、合計が50万円となり47万円を3万円超えるので、その2分の1にあたる1万5000円が支給停止となり、月々の老齢厚生年金から1万5000円が減額されます。

70歳以降も継続して適用される

老齢厚生年金を受給してる人が70歳になると厚生年金の被保険者でなくなります。しかし、厚生年金に加入している事業所に雇用されている場合には70歳以降も在職老齢年金による減額が行われます。

在職老齢年金が適用される期間

老齢厚生年金を受給する月につき、在職老齢年金が適用されます。但し、新たに被保険者資格を取得した月は除きます。また、退職日の属する月までが適用になります

(法改正)
平成27年10月までは資格喪失日(退職日の翌日)が属する月までが対象でした。そのため月末日に退職のとき、退職月の翌月に給付される老齢厚生年金にも在職老齢年金が適用されていました。

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